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Home|ヘルムート・ヴァルヒャ(Helmut Walcha)|バッハ:パッサカリア ハ短調 BWV582

バッハ:パッサカリア ハ短調 BWV582

ヴァルヒャ:1952年9月17日録音



Bach:パッサカリア ハ短調 BWV582


巨大な構造物

バッハの数あるオルガン作品の中で一つ選べ(無理な注文であるのは承知の上で)と言われれば、ウーンと少しばかりうなった後で徐にこのパッサカリアを選ぶのがユング君という人です。
バッハの創作活動は彼の現世における職務と深く結びついていますから、オルガン作品の大部分はオルガン奏者として採用されたヴァイマール時代に集中しています。
バッハはわずか18才でアルシュタットの教会のオルガニストに採用されますが、それはこの教会に新しく設置された新造オルガンの試験演奏で人々をあっと驚かせるような演奏を披露してその実力を認めさせたからです。そして、この教会での実績をひっさげて、彼が次のステップアップの場に選んだのがヴァイマールの宮廷でした。

このヴァイマール時代はオルガン奏者としての前半と楽長に昇進した後半に別れます。前半の職務はオルガン奏者ですから、バッハを代表するようなオルガン作品はこの時代にその大部分が創作されています。楽長に昇進してからは毎月一回の教会カンタータの上演が彼の義務となりますから、数多くのカンタータが彼の手から生み出されます。

と言うことは、バッハのオルガン作品の大部分はアルシュタットのオルガン奏者に採用された18才(1703年)から、ヴァイマール宮廷の楽長に昇進する29才(1714年)までの時期に集中していると言うことです。もちろん、晩年におけるオルガン作品もあるのですが、私たちがよく知っている有名なトッカータやこのパッサカリアなどは全てこのヴァイマール時代の作品です。

しかし、これは驚くべき事だと言わねばなりません。
まさに、この巨大な建築物を思わせるような作品が、20代の若者の手から生み出されたとは!!
はたして、これに匹敵するほどの「巨大さ」を持った作品が他にどれほど存在するでしょうか?
専門書などをひもとけば、この作品についての詳細な分析を見ることができます。
曰く、この作品は20の変奏から成り立っており、それらは5つずつが一つのグループを形成している。
曰く、それらの5つのグループは2−1−2という3つの部分に分かれている。
曰く、全体はさらに1〜10変奏の第1部分と11〜15変奏の第2部分、16〜20変奏の第3部分に分かれている。そして、第3部分は巨大な第1部分の圧縮された再現になっている・・・などなど。

しかし、そう言う難しいことは分からなくても、この作品が数学的とも言えるほどの緻密な設計の上に成り立っていることは聞けばすぐに了解できるはずです。そして、そう言う緻密に積み上げてきた営みが、最後の最後の休止符によって断ち切られ、そこから世界の姿が一変するようにしてハ長調に転調して終結に向かう部分は圧倒的と言うしかありません。

やはり、バッハのオルガン作品で一つ選べと言われれば、やはりこのパッサカリアです。


ヴァルヒャ略歴

ライプチヒで1907年に生まれています。16才で失明するものの、ライプチヒ音楽院でギュンター・ラミーンに師事して1924年にオルガニストとしてデビューします。さらに、1926年には聖トーマス教会のオルガニストにも就任します。
第2次大戦後には三王教会のオルガニストにも就任し、165曲にもの上るバッハのオルガン作品の演奏と講義を行いました。彼の演奏は外面的な効果で作品を彩ることを拒絶し、きわめて厳格で峻厳なバッハ像を作り上げることで、バッハをロマン主義的歪曲から救い出したと評されています。
その後、10年近くにもわたって続けられたバッハのオルガン作品の録音は、長くバッハ演奏のスタンダード的な位置を占めてきました。

1991年にフランクフルトで没。

<コメント>
即物主義の体現者らしい実にあっさりとしたパッサカリアです。リヒターなんかだともっと見得を切るような部分があるのですが、モノラル録音時代のヴァルヒャはそう言うやり方を徹底的に排除して演奏しているのがよく分かります。
でも、こういう作品だとそう言うストイックな姿勢はやや物足りなく思えるのも事実かも知れません。

この演奏を評価してください。

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  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



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