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TCHAIKOVSKY

<ロシア:1840〜1893>

経歴


1840年、ウラル地方の鉱山技師の次男として生まれる。一家はチャイコフスキーが8才の時に首都のペテルスブルグに移り、上流階級の子弟が通う学校に入学する。
 幼い頃からすぐれた音楽的才能を示すが、彼は父の命令で法律学校に通い1859年には法務省の役人となる。
 しかし役人生活になじめない彼は、1861年にペテルブルグ音楽院に入学し、63年にはついに役人を辞して本格的に音楽の道を歩み始める。

 卒業後は、ロシア五人組と呼ばれたバラキレフ・ボロディンなどとも交流を深めながら交響曲やオペラの創作に取り組む。
 時には厳しい批評にもさらされるが仕事は基本的には順調で確実にキャリアを積み上げていく。

 そして、1967年には裕福な未亡人フォン・メック夫人との文通を通した交流が始まる。彼女は浪費癖のぬけないチャイコフスキーの経済的苦境を救うと同時に、時には不幸な結婚で傷ついた彼の精神的な支えともなっていった。
 その後、メック夫人からの援助やモスクワ音楽協会からの年金支給などによって経済的な安定を確保したチャイコフスキーは音楽教師の職を辞して(1878年)、本格的に創作活動に専念することになる。
 また、1886年からは指揮活動も行うようになり、ロシア音楽界を代表する第一人者としての地位を揺るぎないものとしていく。
しかし、1890年にはメック夫人との破局(夫人の精神的疾患が原因といわれている)、翌年には妹の死去と打撃が続く。そして93年、彼の最後の作品となる第6交響曲を完成、初演のあとコレラが原因で53年の生涯を閉じる。
 代表作 「交響曲第6番 悲愴」「ピアノ協奏曲」「エフゲニー・オネーギン」「白鳥の湖」など

ユング君の一言


彼の最後の作品となった「悲愴」は1893年10月29日、ペテルブルグで作曲者自身の手で初演されましたが、聴衆、批評家の評判は冷たいものだったそうです。しかし、チャイコフスキー自身はこの作品の出来に絶対的な自信を持っていたようで「全作品のうちで最高の出来栄え」と自負していたそうです。
 このような態度は簡単そうに見えてなかなかとりきれるものではありません。
 ほぼ同じ時代を生きたブルックナーなどはまさに正反対で、他人の批評に右往左往しては作品の改訂に一生を費やしてしまいました。

 また、彼はロシア五人組とも交流があったようですが、作風においてははっきりと一線を画しています。
 確かに彼の音楽にはロシアの民族的なものが色濃く反映していますが、音楽のスタイルは完璧に西洋的なものです。ですから、ムラヴィンスキーみたいな人が指揮をすると実に堂々たるシンフォニーとして鳴り響きます。
 この正反対に位置するのがムソルグスキーでしょうか?
 まあ、どちらの道をとるにしても徹すると言うことが大切なんでしょうね。

【リスニングルームの更新履歴】

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アーサー・サリヴァン:喜歌劇「軍艦ピナフォア」序曲(Sullivan:Overture from H.M.S Pinafore)
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サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1956年6月20日録音(Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on June 20, 1956)

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ベートーベン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 ハ短調 Op.13()Beethoven:Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 "Pathetique"
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フォーレ:夜想曲第4番 変ホ長調 作品36(Faure:Nocturne No.4 in E-flat major, Op.36)
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J.S.バッハ:パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582(J.S.Bach:Passacaglia in C minor, BWV 582)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月5日~8日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 5-8, 1961)

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ワーグナー;神々の黄昏 第3幕(Wagner:Gotterdammerung Act3)
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