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<ドイツ:1833〜1897>

経歴


1833年5月7日、ハンブルグに生まれる。音楽は父から手ほどきを受け、その後はコッセルに学び10歳で早くも公開演奏会を行う。その後はマルクスゼンからピアノと音楽理論を学ぶ。
 1853年、演奏旅行の途中でヨアヒムと出会って意気投合し、そのヨアヒムの紹介でシューマンを訪問する。ブラームスの才能を高く評価したシューマンは久々のエッセイ「新しい道」でブラームスを紹介する。その後、ライン河に投身したシューマンの家族の面倒をみたことでクララとの親交を深める。
 1865年、母が死去したのを契機に「ドイツ・レクイエム」の作曲に取り組み、68年にこの作品を発表して大成功をおさめて作曲家としての名声を確立する。
 1875年にはウィーン楽友協会の芸術監督に就任し、演奏曲目の選定や指揮活動などに多忙な毎日を送る。そのため作曲活動はオフシーズンの夏にウィーンを離れて行うようになり、この習慣は芸術監督を辞任した後も引き継がれることになる。
 78年にはじめて行ったイタリア旅行も彼の楽しみとなり93年までに9回を数えることになる。
 ビューローやハンスリックなど、彼の音楽を理解し支持する人々も増え、また名誉博士号やハンブルグの名誉市民権なども授与されて晩年は栄光に包まれたものとなっていく。
 しかし、反面私生活では親しい友人との不仲や死別などで孤独の色を深め、特に96年5月20日のクララの死去は彼に衝撃的な打撃を与える。クララの埋葬式に出席した後体調を壊したブラームスは医師の診断で肝臓癌であることが判明し次第に体力が衰えていく。
 1897年3月には床から離れることができなくなり、4月3日に静かに息を引き取る。

ユング君の一言


シューマンによって若くしてその才能が世間に紹介されたために、スムーズにキャリアのスタートがきれた幸せな人でした。そして、早死にの多かったロマン派の音楽家の中ではそれなりに長生きをしましたし、その晩年は数々の栄光に包まれた輝かしいものでした。
 彼を世に送り出したシューマンの生涯と比べればその違いは歴然としています。おまけにシューマンが亡くなると、その妻であったクララとは「公然の仲」になっていくのですから、なんだかシューマンが可哀想になってきます。
 おまけに伝えられる話では、このブラームスというのは権威主義的で俗物、お金にもきたなかったようで、要はずいぶんと「イヤな奴」だったらしいです。
 もっともそんなことは音楽とは何の関係もない話で、どんなに高貴で道徳的であっても、それが必ずしも生み出される音楽には反映しないのがこの業界の辛いところです。逆に、とんでもなく品性下劣な最低男が神の代理人のごとき音楽を生み出したりするのですから困ってしまいます。

 それにしてもブラームスはどうしてクララと結婚しなかったのでしょう?そう言えば、最初の交響曲を完成させるのに20年以上もかかってみたりと、本当に「優柔不断」男の典型みたいです。保守的で健全な常識に恵まれていたように見えるブラームスも、一皮むけば彼もまた立派なロマン派の音楽家だったと言うことなのでしょうか。

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-12-01]

グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 作品82(Glazunov:Violin Concerto in A minor, Op.82)
(Vn)ナタン・ミルシテイン:ウィリアム・スタインバーグ指揮 ピッツバーグ交響楽団 1957年6月17日録音(Nathan Milstein:(Con)William Steinberg Pittsburgh Symphony Orchestra Recorded on June 17, 1957)

[2024-11-28]

ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調「鳥」, Op.33, No.3,Hob.3:39(Haydn:String Quartet No.32 in C major "Bird", Op.33, No.3, Hob.3:39)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1931年12月1日録音(Pro Arte String Quartet Recorded on December 1, 1931)

[2024-11-24]

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調, Op.98(Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)

[2024-11-21]

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)

[2024-11-19]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)

[2024-11-17]

フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)

[2024-11-15]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-11-13]

ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)

[2024-11-11]

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)

[2024-11-09]

ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)