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アンケートの結果と考察(--;のようなもの・・・



お好きな交響曲第7番は?

  • ベートーベン:交響曲第7番
229
  • ブルックナー:交響曲第7番
108
  • シューベルト:未完成
82
  • ショスタコーヴィチ:レニングラード
54
  • ドヴォルザーク:交響曲第7番
46
  • マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
41
  • シベリウス:交響曲第7番
32
  • プロコフィエフ:交響曲第7番「青春」
14
  • モーツァルト:交響曲第7番
10
  • ヴォーン=ウィリアムズ:南極交響曲
10
  • ハイドン:交響曲第7番「昼」
3
  • その他
3

投票総数: 632


結果はあらゆる予想を覆してベートーベンの圧勝で終わりました。さすがは、「深くて、高い後期の世界への入り口」にそびえ立つ作品だけのことはあります。しかし、この強さは私の予想をはるかに上回るものでした。

しかし、それ以上に予想外だったのはシューベルトの未完成の惨敗です。これは、ユング君も全く予想しなかったことですし、正直いって残念至極な結果でした。
「名曲コンサート」などというものがあると、ベートーベンの「運命」やドヴォルザークの「新世界より」などとならんで、シューベルトの「未完成」もプログラムを飾ります。「わが恋の終わらざるがごとく、この曲もまた終わらざるべし」というキャッチコピーもあって、いわゆる「通俗名曲」という捉え方をされる面があることが足を引っ張ったのでしょうか。
しかし、このアンケートはあなたの「好きな交響曲」であって、決して「偉大だと思う交響曲」を問うているのではありません。ですから、専門家筋からは「もういらない」と酷評され続けてきたチャイコフスキーも、このアンケートでは時にはベートーベンを破ったではないですか。
そう考えれば、多くの人にアピールする親しみやすさももっていますし、作品の内容についても文句なしの素晴らしさをもっているだけに、この結果は実に不思議です。
もしかしたら、この結果は作品の内容云々ではなくて、シューベルトそのものの地盤が低いということなのかもしれません。そうだとすれば、8番においても「グレイト」はかなりの苦戦が予想されるということになるのですが、どうでしょうか。ちょっと興味のあるところです。

次にふれておかなければならないのはブルックナーです。結果はベートーベンにダブルスコアでしたが、シューベルトをおさえて二位に食い込みました。7番はブルックナー作品の中では最も聞きやすくて取っつきやすい作品ということで昔から一番ポピュラリティがあるのですが、個人的にはあの単純さがどうしても好きになれない作品です。8番と9番は別格としても、3番や5番と比べても見劣りがするのではないかと思っています。それにも関わらずこれだけの支持を集めたということは、次のステージの8番では、ベートーベンが「弱い」だけに、もしかしたらトップをねらえるかもしれません。
それは、日本におけるブルックナーの認知度を探る上でも、ちょっとばかり興味深いアンケートになりそうです。

さて、最後に「その他」ですが、マーラーもドヴォルザークもシベリウスもショスタコーヴィッチも残念ながら「その他」になってしまいました。
マーラーとシベリウスに関しては、7番というのは彼らの作品群の中では取っつきにくい作品だということが足をひっぱたのでしょうか。
ショスタのレニングラードはケレン味たっぷりで受けそうなのですが、ちょっと「長すぎた」でしょうか。
そして、ドヴォルザークの7番はCDが少なすぎです。もっと聞かれてもいい作品だけに、この現状はちょっと残念です。

最後の最後に「蛇足」ですが、個人的にはプロコフィエフの7番はとっても好きです。カリンニコフが多くの人から受け入れられるようになったのですから、この作品の「わかりやすさ」と「美しさ」はもっと認知されてもいいのではないかと思います。

寄せられたコメントから

<未完成へ>
「7番といったら迷うことなく未完成です。昔から未完成は好きだったのですけど、高校の修学旅行の夜、京都タワーの展望台で夜景を見ながら聞いたNHKFMでライブ中継された未完成が心に沁みたことが強く印象に残っています。今でも未完成を聞くと時を遡ってあの時の光景がフラッシュバックします。」・・・素晴らしいオマージュです。

「ベートーベンの第7の中では第2楽章が特に印象的ですが、全体としては何度も聞きたいとはそれほど思えません。そえに比べて、シューベルトの未完成交響曲は美しさ、若者のロマンティシズム、叙情性で際立ち(他に替わるものが無いほど)何度聞いてもいいです。」

「第二楽章でリズムに抒情を託したベートーヴェンや冗談音楽ではないのかと思わせるマーラーも捨てがたいのですが、個人的な思い入れから未完成に。狂気寸前の第一楽章展開部がたまらなく好きです。」

「今回は未完成に投票しました。
私にとっては、初めてちゃんと聴いた交響曲であり、ムード的・浅い等々の批判はあるものの、やっぱり一番美しい交響曲の一つだと思います。もっとも、『一番気持ちよく眠れる交響曲』と言われると、返す言葉がありませんけど…。」

「なんと、こんなにベートーヴェンの7番との差がついているとは!びっくりです。「魅力」という観点から見れば、未完成がおさおさ7番に劣るとは思えないのですが・・・残念。」

他にもたくさんの「熱い思い」が寄せられたのに、予想外の惨敗でした。実に不思議です。

<シベリウスへ>
「オーディオをグレードアップするごとに好きな曲が増えます。シベリウスの後期の交響曲も、そのことで聴く機会が増えました。ただ7番に関してはLPの頃から好きな曲の一つでした。
 バルビローリの人間くさい演奏と、ベルグンドの上品ですっきりした演奏を、気分によって聞き分けております。」

「ブル7好きです。春にはベト7をやり、11月頭にはドヴォ7もやります。どちらも好きです。でもやっぱりシベ7ですね。暗いところから始まりどんどん世界が見えてきて、ぱっと広がるようなあの瞬間!今日死ぬとわかってれば、絶対聴いて死にたいですね(^^;」

<その他>
「ユングさん風に言えば、上位3曲は予想どおりの順位ではありますが、途中経過とはいえベートーヴェンがここまで差をつけるのは予想外。個人的には、屈折がそのまま形象となったようなマーラーや、本来ならばその前の交響曲で終わっていたはずの境地から再び交響曲という「形式」に挑んだシベリウスにがんばって欲しいところ。」

さて、次の8番対決ですが、おそらくはベートーベン、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザークの争いでしょう。今から楽しみです。

【リスニングルームの更新履歴】



[2024-04-24]

ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲, Op.120(Beethoven:Variations Diabelli in C major, Op.120)
(P)ジュリアス・カッチェン 1953年録音(Julius Katchen:Recorded on 1953)

[2024-04-22]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 K.157(Mozart:String Quartet No.4 in C major, K.157)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-04-20]

ショパン:バラード第3番 変イ長調, Op.47(Chopin:Ballade No.3 in A-flat major, Op.47)
(P)アンドレ・チャイコフスキー:1959年3月10日~12日録音(Andre Tchaikowsky:Recorded on Recorded on March 10-12, 1959)

[2024-04-18]

エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)

[2024-04-16]

フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1947年5月7日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on May 7, 1947)

[2024-04-14]

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」, Op.62(Beethoven:Coriolan, Op.62)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)

[2024-04-12]

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156/134b(Mozart:String Quartet No. 3 in G Major, K. 156)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-04-10]

ハイドン:弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調「狩」,Op. 1, No. 1, Hob.III:1(Haydn:String Quartet No.1 in B-Flat Major, Op. 1, No.1, Hob.3:1, "La chasse" )
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June 5, 1938)

[2024-04-08]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18)
(P)ジェルジ・シャーンドル:アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年1月2日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Artur Rodzinski New York Philharmonic Recorded on January 2, 1946)

[2024-04-06]

シベリウス:交響的幻想曲「ポヒョラの娘」(Sibelius:Pohjola's Daughter - Symphonic Fantasy Op.49)
カレル・アンチェル指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1962年6月7日~8日録音(Karel Ancerl:The Czech Philharmonic Orchestra Recorded on June 7-8, 1962)