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モヌツァルト亀響曲第26番 倉ホ長調 K.184 (161a)

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ラむンスドルフ指揮　ロむダル・フィル　幎月録音

モヌツァルトの亀響曲䜜品の抂芁

モヌツァルトを理解しようず思えば、たず最初に聎くべきはオペラです。その次ずなれば、おそらくは圌の第蚀語ずも蚀うべきピアノの䜜品を聎くべきでしょう。ですから、亀響曲はモヌツァルトにずっおは倧切なこずを語る堎ではない傍流に属するゞャンルだったずいえたす。
しかし、モヌツァルトが凄いのは、その様な傍流に属するゞャンルにおいおも、亀響曲の生みの芪ず称されるハむドンを䞊回るような成果を残したこずです。
「モヌツァルトが最初の無邪気なシンフォニヌK.16から、ゞュピタヌシンフォニヌず名付けられれおいるハ長調シンフォニヌK.551に至るたでにたどった道は、ハむドンの最初のシンフォニヌから最埌のロンドンシンフォニヌに至る道よりもはるかに遠いのである。」アむンシュタむン
可哀想なハむドン

モヌツァルトの亀響曲を抂芳しようず思えば、䜕をもっお亀響曲ずするのかずいう問題がありたす。
䞀般的には圌の最埌のシンフォニヌには番ずいう番号がふられおいたすから、党郚で䜜品ず思われおいるのですが事はそれほど単玔ではありたせん。たずは、旧党集ではいく぀かの停䜜にも番号が割り振られおいたすから、これらを排陀する必芁がありたす。次に、番号が割り振られおいないのですが、今日のずらえ方から蚀えば亀響曲ず認定できるものがいく぀かありたすから、それらの䜜品を远加する必芁がありたす、

たず、停䜜の排陀ですが、これは問題がありたせん。以䞋の䜜品を排陀したす。
K.17:亀響曲第2番 倉ロ長調・・・停䜜
K.18:亀響曲第3番 倉ホ長調・・・K.F.アヌベルの亀響曲を線曲したもの
K.444亀響曲第37番ト長調・・・ミヒャ゚ル・ハむドン䜜の亀響曲に序奏郚を぀けお挔奏したものをモヌツァルト䜜ず誀ったもの

次に、番号が割り振られおいないけれども、亀響曲ず認めるものを数え䞊げるのですが、これが非垞に厄介です。
長らくスタンダヌドの䜍眮にあったベヌムベルリンフィルによる党集では぀远加しお党䜓で曲ずなっおいたす−。これに察しお、モヌツァルト研究の第䞀人者ず蚀われるニヌル・ザスロヌなどはいく぀かのセレナヌドやオペラ序曲なども数え入れお曲たでにふくれあがっおいたす。ホグりッド指揮の党集
しかし、ナング君のような人間にはこの蟺の詳しい事情を解説する胜力はありたせんので、ずりあえずはベヌム盀にしたがっお曲を抂芳するこずにしたす。この蟺の事情が党く持っお理解できないので、月に発刊されたザスロヌ先生の「モヌツァルト党䜜品事兞」なるものを泚文しおしたいたした・・・

モヌツァルトの亀響曲を以䞋の぀のグルヌプに分けるこずにはあたり異存はないず思いたす。

神童モヌツァルトの子ども時代の䜜品・・・初期亀響曲曲
ザルツブルグにおける宮仕え時代の䜜品・・・ザルツブルグ亀響曲曲
パリ旅行からザルツブルグずの蚣別、そしおりィヌン時代の䜜品・・・埌期亀響曲曲

神童モヌツァルトの子ども時代の䜜品・・・初期亀響曲

子ども時代の亀響曲は神童モヌツァルトの挔奏旅行ず密接に関わっおいたした。圌が、挔奏旅行でペヌロッパ各地を旅行し、それぞれの土地で最新の音楜事情にふれるたびにそれらを己の䞭に取り蟌んでいきたした。その挔奏旅行は、長い間、父レオポルドが金儲けのために息子のノォルフガングを連れたしたように蚀われおきたした。しかし、最近ではノォルフガングのために綿密に蚈画された教育のためだったず理解されおいたす。
確かに、モヌツァルトは䞊ではない倩分を持っお生たれおきたした。しかし、その倩分も父レオポルドによる綿密に蚈画された「英才教育」がなければ、二十歳すぎればただの人になっおいたかもしれたせん。
その意味で、初期亀響曲を聎く楜しみは、ペヌロッパ各地で様々な圢で芜生え始めた亀響曲ずいう音楜圢匏をモヌツァルトがどのように受容しおたたは、䜕を拒吊しお、それらを己の䞭に取り蟌んでいったかを眺めるこずに尜きたす。

子ども時代のモヌツァルトは父に連れられお倧きな旅行を回行っおいたす。ですから、亀響曲を抂芳するずきはこの぀の旅行に沿っお抂芳するこずが必芁です。

初めおの挔奏旅行幎〜幎〜ミュンヘン、フランクフルト、パリ、ロンドン

亀響曲第1番 倉ホ長調 K.16
亀響曲 ヘ長調 K.A.223幎に楜譜が発芋され真䜜ず確定
亀響曲第4番 ニ長調 K.19
亀響曲第5番 倉ロ長調 K.22
亀響曲 ト長調 "Old Lambach" K.A.221これにた぀わる話を始めるずずおも長くなるのですが、結論だけ蚀えばザスロヌ先生のご尜力で真䜜ずしお確定したした

神童モヌツァルトの名をペヌロッパ䞭に広めた最初の挔奏旅行ですが、この挔奏旅行の途䞭においお幎の暮れから幎の初めにかけお滞圚したロンドンにおいお最初の亀響曲第1番 倉ホ長調 K.16が曞かれたす。
曞くきっかけずなったのは、父レオポルドがロンドンで病気のために臥せっおしたい、するこずがなくなっお手持ちぶさたになったモヌツァルトが暇぀ぶしに曞いたずいう話が䌝わっおいたす。
もちろん真停のほどは定かではありたせん。䜕故ならば、レオポルドはザルツブルグの家䞻であるハヌゲナりアヌ宛おに挔奏䌚を開くこずを䌝え、その䞭で「亀響曲はすべおノォルフガングが曞いたものです」ず蚘しおいるからです。おそらくは、今たでの「教育」の成果を確かめるずずもに興行的な成功も圓お蟌んでモヌツァルトにこの課題を䞎えたず芋る方が劥圓なのではないでしょうか。
この時期の亀響曲は才にも満たない「子ども」時代の䜜品なのですから、それほど倚くのものを期埅されおも困るでしょう。しかし、それでも第番の亀響曲においおすら、明るく無邪気なだけの音楜ではなく、埌のモヌツァルトを予感させるような圱が走る堎面があるこずも事実です。
それでもなお、これらをもっおモヌツァルトを倩才ず断ずるのは明らかに誀りです。才にも満たない「子ども」がこのような亀響曲を曞いたこずを持っお「倩才」ず呌ぶのならば、それはあたりにも音楜史に疎いず蚀わざるを埗たせん。実際、ロッシヌニを初めずしおこのような「早熟」の子どもは䜕人も指摘できたす。モヌツァルトが倩才だず蚀われるのは、ただ単に「早熟」だったからだけでなく、この地点から誰も考え぀かないほどに遠くたで歩き通したからです。その事は、最初に玹介したアむンシュタむンの蚀葉にすべおが語られおいたす。

りィヌン旅行幎〜幎

亀響曲 ヘ長調第43番 K.76真䜜かどうかに぀いお芋解が分かれおいる
亀響曲第6番 ヘ長調 K.43
亀響曲第7番 ニ長調 K.45
亀響曲 倉ロ長調第55番 K.A.214真䜜ずされおいるが䞀次資料は倱われおいるので疑問は残る
亀響曲第8番 ニ長調 K.48
亀響曲第9番 ハ長調 K.73(75a)

モヌツァルト父子は西方ぞの倧旅行からザルツブルグに垰郷したのは幎の月日だったず䌝えられおいたす。そしお、圌らはその翌幎の月には早くもりィヌンぞの挔奏旅行ぞず出発しおいきたす。圌らは、りィヌンを䞭心ずしお掻発に挔奏掻動を続け、この旅行も幎月たでの長きに達したす。
モヌツァルトはこの旅行においお、前叀兞掟ず呌ばれるノァヌゲンザむルやモンなどの䜜颚を孊び、さらには芏暡の倧きなりィヌンのオヌケストラも念頭に眮いおトランペットやティンパニヌも远加された楜章構成の亀響曲を初めお曞きたす。蚀うたでもなく、このスタむルこそがハむドンずモヌツァルトによっお「亀響曲」ずいうゞャンルに昇華されおいくこずになるのです。

第1回むタリア旅行幎〜幎

亀響曲 ニ長調第44番 K.81最近はレオポルドの䜜ずする説が有力
亀響曲 ニ長調第47番 K.97真䜜ずされおいるが䞀次資料は倱われおいるので疑問は残る
亀響曲 ニ長調第45番 K.95真䜜ずされおいるが䞀次資料は倱われおいるので疑問は残る
亀響曲第11番 ニ長調 K.84自筆譜がないために疑問は残るが、様匏研究などから真䜜ずされおいる
亀響曲第10番 ト長調 K.74

りィヌンでの長逗留を突然に切り䞊げたレオポルドは同じ幎の月にいよいよずいう感じで「音楜の囜、むタリア」ぞず向かいたす。このあたりの旅行蚈画も冷静な目で眺めおみれば実に呚到に蚈画された゚リヌト教育であるこずに気づかされたす。
ただし、この旅行で曞かれた亀響曲は正盎蚀っお面癜味に欠けるものばかりです。たた、自筆譜がほずんど倱われおいるために真停の刀定も未だに藪の䞭ずいうものが少なくありたせん。
たた、圓時のむタリアのシンフォニアではメヌ゚ット楜章を持たない楜章構成が基本なのですが、モヌツァルトの手になるこれらの「むタリア亀響曲」はメヌ゚ット楜章を持぀楜章構成ずなっおいたす。そのために、孊者の䞭にはそれらのメヌ゚ット楜章は埌から远加されたものだずいう説を唱える人もいたすが、これもたた藪の䞭です。しかし、モヌツァルトは曞簡の䞭で「ドむツのメヌ゚ットをむタリアに玹介しなければいけない」ず述べおいたすから、その蚀葉を額面通りに受け取ればドむツ颚のメヌ゚ットをむタリアに玹介するためにあえおこのような圢匏にしたずいうこずも玍埗できたす。

第回むタリア旅行幎

亀響曲 ヘ長調第42番 K.75様匏的にも停䜜の疑いが匷いずされる
亀響曲第12番 ト長調 K.110
亀響曲 ハ長調第46番 K.96
亀響曲第13番 ヘ長調 K.112

第回のむタリア旅行から戻っおわずかヶ月ほどでモヌツァルトは回目のむタリア旅行に出発したす。今床は、ミラノの宮廷からオペラの䜜曲ず挔奏を䟝頌されおのものでした。ですから、今回は第回の旅行のようにむタリア各地を巡るのではなく、基本的にミラノでの長逗留ずいうのが実態でした。この逗留は幎月から月たでず、幎月から幎月たでの回に分けられたす。ちょうど高校生皋床の最も倚感な時代を音楜の囜であるむタリアにおいお、その音楜の䞭にどっぷりず぀かるような生掻をおくったこずはモヌツァルトの「倩才」をより確かなものずしたはずです。
わずか才で亀響曲を曞いた早熟な子どもは、ただの早熟で終わるこずなく、本圓の意味での「倩才モヌツァルト」ぞの歩みをはじめたのです。

ザルツブルグにおける宮仕え時代の䜜品・・・ザルツブルグ亀響曲

ミラノでのオペラの倧成功を受けお意気揚々ず匕き䞊げおきたモヌツァルトに思いもよらぬ事態が起こりたす。それは、宮廷の仕事をほったらかしにしおペヌロッパ䞭を挔奏旅行するモヌツァルト父子に奜意的だった倧叞教のシュラッテンバッハが亡くなったのです。そしお、それに倉わっおこの地の領䞻におさたったのがコロレヌドでした。コロレヌドは音楜には党く関心のない男であり、この倉化は埌のモヌツァルトの人生を倧きな圱響を䞎えるこずになるこずは誰もがご存知のこずでしょう。

それでも、コロレヌドは最初の頃はモヌツァルト䞀家のその様な掟手な振る舞いには露骚な干枉を加えなかったようで、幎月には回目のむタリア旅行、さらには翌幎の月から月にはりィヌン旅行に旅立っおいたす。そしお、この第回ず第回のむタリア旅行のはざたで珟圚知られおいる範囲では曲に䞊る亀響曲を曞き、さらに、むタリア旅行ずりィヌン旅行の間に曲、さらにはりィヌンから垰っお曲が曞かれおいたす。これら蚈曲をザルツブルグ亀響曲ずいう呌び方でひずたずめにするこずにそれほどの異論はないず思われたす。

ザルツブルク幎

亀響曲第14番 む長調 K.114
亀響曲第15番 ト長調 K.124
亀響曲第16番 ハ長調 K.128
亀響曲第18番 ヘ長調 K.130
亀響曲第17番 ト長調 K.129
亀響曲第19番 倉ホ長調 K.132
亀響曲第20番 ニ長調 K.133
亀響曲第21番 む長調 K.134

K128〜K130は月にたずめお曞かれ、さらにはKK132ずK133Kは月に曞かれ、その翌月には134が曞かれおいたす。これらの曲が短期間に集䞭しお曞かれたのは、新しい領䞻ずなったコロレヌドぞのアピヌルであったずか、セット物ずしお出版するこずを目的ずしたのではないかなど、様々な説が出されおいたす。他にも、すでに予定枈みであった期目のむタリア旅行にそなえお、新しい亀響曲を求められたずきにすぐに提出できるようにずの準備のためだったずいう説も有力です。ただし、本圓のずころは誰も分かりたせん。
この䞀連の亀響曲は基本的にはハむドンスタむルなのですが、所々に先祖返りのような保守的な䜜颚が顔を出したず思えばK129の第楜章が兞型、時には「first great symphony」ず呌ばれるK130の亀響曲のようにフルヌト本ずホルン本を甚いお、今たでにないような芏暡の倧きな䜜品を仕䞊げるずいうような飛躍が芋られたりしおいたす。
アむンシュタむンはこの時期のモヌツァルトを「幎ずずもに増倧するのは深化の城候、楜噚の圹割がより倧きな自由ず個性に向かっお倉化しおいくずいう城候、装食的なものからカンタヌビレなものぞの倉化の城候、いっそう掗緎された暡倣技術の城候である」ず述べおいたす。

ザルツブルク〜幎

亀響曲第22番 ハ長調 K.162
亀響曲第23番 ニ長調 K.181
亀響曲第24番 倉ロ長調 K.182
亀響曲第25番 ト短調 K.183
亀響曲第27番 ト長調 K.199
亀響曲第26番 倉ホ長調 K.184
亀響曲第28番 ハ長調 K.200
亀響曲第29番 む長調 K.201
亀響曲第30番 ニ長調 K.202

アむンシュタむンは「幎に倧転回がおこる」ず述べおいたす。
幎に曞かれた亀響曲はナンバヌで蚀えば番から番にいたる曲です。このうち、・・番、さらには番は明らかにオペラを意識した「序曲」であり、以前のむタリア颚の雰囲気を色濃く残したものずなっおいたす。しかし、残りの曲は、「それらは、---初期の段階においお、狭い枠の䞭のものであるが---、幎の最埌の䞉倧シンフォニヌず同等の完成床を瀺す」ずアむンシュタむンは蚀い切っおいたす。
K200のハ長調シンフォニヌに関しおは「緩埐楜章は持続的であっおすでにアダヌゞョぞの途䞊にあり、・・・メヌ゚ットはもはや間奏曲や挿入物ではない」ず評しおいたす。そしお、K183ずK201の぀の亀響曲に぀いおは「䞡シンフォニヌの倧小の奇跡は、近代になっおやっず正しく評䟡されるようになった。」ず述べおいたす。そしお、「むタリア颚シンフォニヌから、なんず無限に遠く隔たっおしたったこずか」ず絶賛しおいたす。そしお、この絶賛に異議を唱える人は誰もいないでしょう。
時におこるモヌツァルトの「飛躍」がシンフォニヌの領域でもおこったのです。そしお、モヌツァルトの「倩才」ずは、才で亀響曲を曞いたずいう「早熟」の䞭ではなく、この「飛躍」の䞭にこそ存圚するのです。

パリ旅行からザルツブルグずの蚣別、そしおりィヌン時代の䜜品・・・埌期亀響曲

「飛躍」を成し遂げたモヌツァルトは、亀響曲を「連䜜」するこずは䞍可胜になりたす。
「モヌツァルトの胞䞭には、シンフォニヌ的なものの新しい抂念が発展したからである。この抂念は、もはや「連䜜」䜜曲を蚱さず、単独䜜品の䜜曲だけを可胜にするのである」アむンシュタむン

モヌツァルトは幎から幎にかけおの倚産の時期を過ぎるず亀響曲に関しおはぎたりず筆が止たりたす。それは基本的には領䞻であったコロレヌドがモヌツァルトの挔奏旅行を「乞食のように歩き回っおいる」ずしお制限をかけたこずが䞀番の理由ですが、内面的には䞊述したような事情もあったものず思われたす。
そんなモヌツァルトが再び亀響曲を曞き出すのは、日々匷たるコロレヌドからの圧力を逃れるための「就職先探し」の旅が契機ずなりたす。
モヌツァルトずコロレヌドの䞍仲は幎に臚界点に達し、぀いにクビになっおしたいたす。そしお、モヌツァルトはこのクビを幞いずしお就職先探しのための旅に出かけたす。
しかし、珟実は厳しく、か぀おは「神童モヌツァルト」ずしおもおはやした各地の宮廷も、ザルツブルグの倧叞教に遠慮したこずもあっお䜓よく就職を断られおいきたす。期埅をしたミュンヘンもマンハむムも断られ、最埌の望みであったパリにおいおも神童であったモヌツァルトには興味は持っおくれおも、倧人の音楜家ずなったモヌツァルトには誰も芋向きもしおくれたせんでした。そしお、その旅の途䞭で母を亡くすずいう最悪の事態を迎え、぀いにはコロレヌドに詫びを入れお埩職するずいう屈蟱を味わうこずになりたす。
しかし、この困難の䞭においお、モヌツァルトは己を売り出すためにいく぀かの亀響曲を曞きたす。

パリ・ザルツブルグ幎〜幎

亀響曲第31番 ニ長調 "Paris" K.297
亀響曲第32番 ト長調 K.318
亀響曲第33番 倉ロ長調 K.319
亀響曲第34番 ハ長調 K.338

通称「パリシンフォニヌ」ず呌ばれるK297のシンフォニヌは兞型的な管線成の䜜品で、モヌツァルトの亀響曲の䞭では最も芏暡の倧きな䜜品ずなっおいたす。それは、圓時のパリにおけるオヌケストラの線成を前提ずしたものであり、冒頭の壮倧なナニゟンもオケの力量をたず初めに誇瀺するために圓時のパリでは垞套手段のようにもいられおいた手法です。たた、この䜜品を䟝頌した支配人から転調が倚すぎお長すぎるず「ダメ出し」がだされるず、それにしたがっお第楜章を曞き盎したりもしおいたす。
䜕ずかパリの聎衆に気に入られお新しい就職先を埗ようずするモヌツァルトの涙ぐたしい努力がかいたみられる䜜品です。
しかし、先に述べたようにその努力は報いられるこずはなく、䞋げたくない頭を䞋げおザルツブルグに垰っお教䌚オルガニストを぀ずめた幎から幎にかけおの幎間は、モヌツァルトの生涯においおも粟神的に最も苊しかった時代だず蚀えたす。その蚌拠に、モヌツァルトの生涯においおもこの幎間は最も実りが少ない幎間ずなっおいたす。そのため、この幎間に曞かれた番から番たでの曲は再び「序曲颚」の衣装をたずうこずになりたす。おそらくは、挔奏䌚などを開けるような状態になかったこずを考えれば、これらの䜜品はおそらくどこかの劇団からの䟝頌によっお曞かれたものず想像されおいたす。

りィヌン幎〜幎

亀響曲第35番 ニ長調 "Haffner" K.385
亀響曲第36番 ハ長調 "Linz" K.425
亀響曲第38番 ニ長調 "Prague" K.504
亀響曲第39番 倉ホ長調 K.543
亀響曲第40番 ト短調 K.550
亀響曲第41番 ハ長調 "Jupiter" K.551

幎にモヌツァルトは再びコロレヌドず決定的な衝突を匕き起こし、぀いにザルツブルグず蚣別しおりィヌンぞず向かいたす。今床は以前のようにどこかで就職先を埗ようずいうのではなく、党くのフリヌの音楜家ずしお腕䞀本で生きおいくこずを決意しおの旅立ちでした。
この時に、本圓の意味で「音楜家モヌツァルト」が誕生したず蚀えたす。
そしお、「音楜家モヌツァルト」が残した最埌の぀の亀響曲は、ハむドンが到達した地点よりもはるか先ぞず進んでしたったこずは疑いありたせん。そしお、最埌の぀のシンフォニヌにおいお、音楜は぀いに䜕かの目的のために生み出される機䌚音楜ではなくお、音楜それ自䜓に存圚䟡倀があるず蚎える芞術䜜品ぞず飛躍しおいったのです。
「モヌツァルトは最埌の曲のシンフォニヌを指揮したこずも、聞いたこずもなかったかもしれない。しかし、そのこずはおそらく、音楜ず人類の歎史におけるこれらのシンフォニヌの䜍眮を象城する事実である。もはや泚文もなく、盎接の意図もない。あるのは氞遠ぞの蚎えである」アむンシュタむン

䞖界最初のモヌツァルト亀響曲党集


ラむンスドルフによるこの偉業は残念ながらほずんど忘れ去られようずしおいたす。
理由はいく぀か挙げるこずができたす。
たずは、この党集の録音を行っおいる途䞭でモノラルの時代からステレオの時代に移り倉わっおしたったこずがあげられたす。さらに悪いこずに、この録音䜜業がが有名どころの埌期䜜品から始たり、初期䜜品の録音で完成するずいう手順だったために、結果ずしお有名どころの埌期䜜品がすべおモノラル録音になっおしたったこずは倧きなハンデずなりたした。番以降がモノラル
第には、この録音が完成した途端に、ベヌムがステレオ録音で、ベルリンフィルを擁しお完党な党集の録音を始めたこずも無芖できたせん。結果ずしおそのベヌムベルリンフィルによる録音が長くモヌツァルト挔奏のスタンダヌドずなりたした。
しかし、あらためおこのラむンスドルフによるモヌツァルト挔奏を聎き盎しおみるず、忘れ去るにはあたりにも惜しいクオリティを持っおいるこずに気づかされたす。それは、同じ頃にワルタヌずニュヌペヌクフィルのコンビで録音された䞀連の録音モヌツァルト亀響曲第番「ハフナヌ」　K385・モヌツァルト亀響曲第番　K201なんどず比べおみれば、叀いロマンティックなモヌツァルト像を振り払っお新しいスタむルを打ち立おようずしおいるこずをハッキリず聞き取るこずができたす。その意味では、幎代初頭のペヌロッパにおける即物䞻矩によるモヌツァルト挔奏ずはどういうものだったのかを知る䞊では実に貎重な録音です。ずはいえ、ゞュピタヌの第楜章なんかは悪い冗談のように聞こえおしたうのですが、このテンポには䜕か裏付けでもあったのでしょうか
個々の挔奏に察する評䟡ずは、評䟡の察象ずなっおいる挔奏だけをいくら聎いおも本圓のこずは分かりたせん。倧切なこずは、その䜜品の挔奏の歎史を知った䞊で、その線䞊においおの比范を通したうえで個々の挔奏の評䟡や䜍眮づけなどをするこずが倧切です。その意味では、戊埌におけるモヌツァルト挔奏のスタヌトラむンを知る䞊では絶察に聞いおおかなければいけない録音だず蚀えたす。


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