クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~


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アンケートの結果と考察(--;のようなもの・・・



ブルックナー:交響曲第9番

  • シューリヒト
90
  • カラヤン
48
  • ジュリーニ
42
  • フルトヴェングラー
36
  • ヴァント
36
  • ヨッフム
25
  • 朝比奈
22
  • その他
22
  • クレンペラー
17
  • スクロヴァチェフスキー
12
  • バーンスタイン
10
  • ハイティンク
9
  • インバル
9
  • ワルター
7
  • レーグナー
7
  • ショルティ
5

投票総数: 397


今回は始めにこんな予防線を張ってしまいました。
「9番に関しては名曲が多いので、引き続き今月も9番です。
取り上げたのはブルックナーなので、またまた、「どうして○○は入っていないんだ!信じられない!!」というお怒りの声が聞こえてきそうですが、そう言うときは出来ればあまり熱くならずに、「チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル 1995年録音の正規盤?もいいですよ!」とか「アイヒホルンこそブルックナーサウンドの神髄を表現していると思います」とか、「海賊版だけどクーベリックにもいいのがありますよ」とか「ムラヴィンスキーを忘れてもらっては困るなぁ」とかとか、易しく指摘してください。(カイルベルトにマタチッチ、ティントナーとあげていけばきりがないのです・・・^^;)」

不思議な話なのですが、何故かブルックナーになると「熱く」なる人が多いのです。これは実に不思議な現象だと言わなければなりません。
しかし、幸いなことに
「最後にブルックナーに関するコメントは他の作曲家に較べて感情的で断定的な物言いをする人がよく見受けられうんざりすることが多いのですが、ここのコメントは良識ある表現をされているので嬉しかったです。」とコメントいただいたような結果になり管理人としてもホッとしています。

さて、投票の結果なのですが、予想通りにシューリヒトの1位となりました。しかし、コメント欄で熱いエールを多く集めたのはジュリーニであり、票数でこの二人の間に割って入ったのがカラヤンという、これもまた何となく予想されたとおりの結果となりました。

しかし、シューリヒトというのは本当に不思議な人です。

「ジュリーニ指揮/VPOによるブルックナー交響曲第9番の録音は、指揮者とオーケストラという関係が成しえる極限の表現をし尽くした演奏だと思います。ただの名演ではなく、紛れもない人類の文化遺産でしょう。「音楽の聖人」そのものの人物だったジュリーニという人間が己の魂をすべて注ぎ込んだ感があります。

しかし、それでも私はシューリヒト盤をとる。
ジュリーニ盤を聞いた後、シューリヒト盤を聞くと、成し得ることはすべて行ったジュリーニ盤に比べると、あまり曲に手は入れていないのに、シューリヒト盤の方がより大きな「何か」が私の心の中に入ってくるのです。

この違いは言葉では説明ができません。そして、このような比較をすると、音楽というものがいかに素晴らしいものか、逆にいかに如何わしいものであるかという両面が浮かび上がってくるような気がします。」

おそらくはこのコメントに尽きていると思うのですが、ホントに「何もしていない」ように思えるのに、聞き進むうちにジワジワと大きな感動につつまれていきます。そして、こういうシューリヒトの行き方がもっともツボにはまっているのがブルックナーのように思えるのです。
ですから、
「ジュリーニ指揮ウィーン・フィルの演奏に投票しました。この演奏を聴くまではムラヴィンスキーとカラヤンのCDを聴きまくってましたが、この演奏を聴いて打ちのめされてしまったのです。まさにこの曲を演奏するにふさわしい指揮者の、満を持しての登場に感動を覚えたものです。話はかわりますがあえて批判覚悟で意見を書かせていただくと、世に名高い名盤と誉れ高いシューリヒトの演奏は私には”軽い”演奏にしか聴こえず、何度聴いても「なぜこんな演奏が・・・」と疑問を抱かざるをえません。とある批評家は手放しで賞賛していますけど、私にはその人の人格さえも疑ってしまうくらいです。ファンの方には失礼な意見を書いてしまいました、批判中傷は覚悟の上です。申し訳ありませんでした。管理人さまの独断でこの意見をアップしなくても仕方ないと思っています。良識ある判断でこのコメントを扱っていただければ幸いです。では・・・」
と言うコメントも正直な感想として出てくるのは当然でしょう。
特に、一部の評論家によってシューリヒトのブルックナーは「絶対化」されていますから、こういう「王様は裸だ!」と叫ぶことは勇気のいることです。
一般的に誰もふれていないような演奏家を持ち上げて「これはいい!」というのは意外と容易いことです。本当に難しいのは誰も評価している人を「これはだめだ!」と批判することです。
私個人はシューリヒトのブルックナーは大好きな演奏ですが、もしかしたら「本当に何もしていないのではないか?」と言う疑念(^^;・・・?は検証するに値すると思います。

しかし、今回何よりも印象深かったのはジュリーニに対する熱い思いです。

「今回は投票が遅れてしまいましたのでコメントだけ送ります。
デイヴィス・ロンドン響のライヴも一時期よく聴いたのですが、今回はシカゴ響を振って真善美に満ちた演奏を繰り広げたジュリーニを選びました。
後年録音されたウィーンフィルとのものはより慈愛に満ちた演奏でこちらも素晴らしいのですが、私にとっては当時のジュリーニを代表するシカゴ響との演奏は初めてこの曲を繰り返し聴き続けた最初の一枚ということもありこちらに軍配を上げたいと思います。
他には何食わぬ顔で始めながら豪壮なフォルテを創り出し、一転してゆったりとしたテンポでひとつひとつの音を目いっぱい鳴らしながら音をひとうひとつ積み上げるように曲を進めて行くヨッフム(ドレスデン国立歌劇場管)はこの曲でも見事でした。」

「ジュリーニ/ウィーン・フィルの演奏を。この演奏はNHKーFMでライヴ演奏を聴いて衝撃を受けたものでした。その時に録音したテープはまさに擦り切れる寸前まで聴き倒し、ダビングをしてはまた擦り切れるまで・・・というように聴きまくったお気に入りとなってしまいました。CDが発売された当時はまだ3千円以上したものでしたが惜しくなかったですね。今でもブル9に関してはこの曲が手本になってます。」

「この曲は大好きで、次々と買い求めてしまいました。最近ではヨッフム/ミュンヘンを入手して聴きました。しかし、なぜかジュリーニが忘れられません。シューリヒト盤の方が正統派だと分かっていても。シカゴ版、VPO版、どちらもジュリーニ独特の節回しがいいですね。特にじっくりと歌い上げるVPO版、いつも耳を離れません。」

あれこれ遍歴を続けた結果ジュリーニにたどり着いたという人が多いようですね。私も彼のシカゴ響とのスタジオ録音は宝物の一つですから、もしもまだ聞いたことがない人がいれば是非とも一度は聞いてもらいたいですね。

最後にその他のコメントを紹介しておきます。

「ブルックナーの9番といえば、カラヤンの80年代初めのライブ演奏です。70年代半ばのビデオで感じたようなレガードが目立つ感じではなく、切り刻むように演奏する展開は迫力を感じます。ヴァントとミュンヘンフィルの演奏も同じ理由で素晴らしかったのですが、カラヤンのこの曲に対する執念を感じましたので、カラヤンに票をいれました。」
これでカラヤンを再評価したという人も多いようですね。

「アイヒホルンの4楽章完成版に一票。以前にもインバル盤などがあったが、完成されたアダージョまでの楽章との差が大きすぎた。でもアイヒホルン盤はブルックナーが望んでいた姿を垣間見ることができる。これからは、むしろこの盤を聴いた後で、「未完成」の演奏を聴くべきではないかと思う。」

「何故にクナッパーツブッシュの名前がないのか?ユング君は、ちゃんとクナのブル9をアップしているのに…。理解に苦しみます。」
今回は確信を持ってあえて外しました。このラインナップの中ではこの選択は間違っていないと私は信じています。

では、次回もまたまた9番シリーズで、ドヴォルザークの新世界よりです。
次は気楽にリストアップできそうです。(^^v

【リスニングルームの更新履歴】



[2025-10-08]

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[2025-10-06]

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[2025-10-04]

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[2025-09-30]

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[2025-09-28]

エルガー:コケイン序曲 Op.40(Elgar:Cockaigne Overture, Op.40)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年5月9日&8月27日録音(Sir John Barbirolli:The Philharmonia Orchestra Recorded on May 9&August 27, 1962)

[2025-09-26]

ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60(Beethoven:Symphony No.4 in Bflat major ,Op.60)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1962年1月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on January, 1962)

[2025-09-24]

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[2025-09-22]

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アマデウス弦楽四重奏団 1955年2月11日~12日&14日録音(Amadeus String Quartet:Recorde in February 11-12&14, 1955)

[2025-09-20]

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サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)