Home|
アンケートのアーカイブ|誰の指揮でききたいですか?(ベートーベン:交響曲第7番)
アンケートの結果と考察(--;のようなもの・・・
ベートーベン:交響曲第7番(第1位)
|
241 |
|
196 |
|
81 |
|
56 |
|
48 |
|
47 |
|
27 |
|
26 |
|
22 |
|
17 |
|
10 |
|
9 |
|
8 |
|
8 |
|
6 |
|
6 |
|
|
|
投票総数: 808
さて交響曲対決の最後を飾って、ある意味では今一番熱いベートーベンの第7番交響曲を取り上げました。
これに関してはさすがのフルトヴェングラーもぶっちぎりのトップにはならないだろうとは思っていたのですが、予想通り、最後の最後までクライバーとの接戦となりました。そして、一時は「不沈艦フルヴェン号」も撃沈かと思ったのですが、まるでディープインパクトのように最後の直線コースで一気に抜け出して、ここでも首位の座を獲得しました。こうなると、日本におけるフルトヴェングラーと言う存在は「神様」を通り越して「お化け」に近いのかもしれないと思ったりもしてしまいます。
<寄せられたコメントより>
まずはフルトヴェングラーに対する賛辞から・・・。
「当質問に判定をくだすのは、大変な難業ですが、強いて挙げるならばBPOを指揮したFurtwanglerが最右翼です。しかし、終楽章の疾風怒濤は圧巻ですが、どうしてこうなる必然性があるのでしょうか?どの作品に向き合っても独特の、かけがえのない個性が、その人の演奏類型として聞き手に容易に認識できた巨匠時代の最高の至宝に値する人でした。あまりに個性な解釈が「恣意」を超えて、普遍的な次元にまで昇華できる才人でした。」
『あまりに個性な解釈が「恣意」を超えて、普遍的な次元にまで昇華できる才人でした。』・・・この言葉にフルヴェンとは何だったのかが集約的に表現されていると思います。いつもいつも素晴らしいコメントありがとうございます。m(_ )m
「ベートーヴェンのイ長調交響曲は、S=イッセルシュテットなどもいいのですが、やはり、1943年録音のフルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニーの演奏がすばらしいと思います。特にあのAllegrettoの慟哭は他の指揮者は勿論、フルトヴェングラーもあの時一度しか達することのできなかった境地だと思います。」
「フルトヴェングラーにポチ。とにかく2楽章がやばいww」
「映画「不滅の恋」で甥のカールが自殺を図る時に流れていたのがこの曲の第二楽章でした。「不滅のアレグレット」の名にふさわしいこの曲の虜になり、色々な演奏を聴いてきましたが、フルトヴェングラーの戦中ライブだけはモノが違うと思います。「慟哭」という言葉がピッタリで、普段楽しんで聴ける演奏というわけではないのですが、この曲を語るとき絶対に外せません。1票。」
「フルトベングラーに投票、戦争中のがすき。受験の当日これを聴いて、心を奮い立たせたっけ。落ちちゃったけど。」
「フルトヴェングラーです。何度聴いても鳥肌が立ちます。」
戦時中のライブ録音は音楽という狭い枠だけでなく20世紀という戦争の世紀を象徴するものだったと言うことなのでしょう。「重み」が他とは次元が違うと言うことで、戦後のスタジオ録音の音質の悪さというハンデなんか吹っ飛ばしてしまいました。
次はクライバーさんに対する賛辞
「踊るように弾けるように指揮をするクライバーが好きです。カラヤンも良いですが、CDで十分かなと思います。クライバーはスピード感と躍動感があるのに、音が崩れない。それに彼の指揮は見ていて飽きません。DVDを買ったのもクライバーだからこそです。彼の指揮を見ているとまるで自分も楽団の一人になったかのように音楽を体験できるような気がします。」
「クライバーに1票。何度聴いても爽快で元気が出ますね。」
「管理人さんではありませんが、この曲こそは「不沈艦フルヴェン号」も敗北か、とも思っていましたが…フルヴェン本当に強いですねぇ。フルヴェンの負けを期待するわけではありませんが(ちょっとは期待してるかな)ここはカルロスに1票。この曲に関してはフルヴェン風の重厚なアプローチより、キリッとした造型で、速めのインテンポ系の演奏のほうが、私は好みです。(カルロスがインテンポか、といわれると困ってしまいますが…)それだけならほかにもいい録音は数多ありますが、もうひとつ、第2楽章のラストをピツィカートのまま処理している演奏は、かの父子とクレンペラー御大くらいなもので。」
「私本当にこの曲だけは・・・この曲だけは・・・・・・誰がなんと言おうとクライバーなんです。」
クライバーに入れる人は素人・・・なんて言う言葉もありました・・・、それに対しては「素人なのでクライバーに1票。」というのはなかなかに皮肉たっぷりのお言葉で拍手!
ただし、クライバーに対する評価が定まるにはもう少し時間が必要なことは事実だと思います。ユング君も彼のことは嫌いではありませんが、何となく最近は聴く回数が減ってきています。
それ以外では、やはり根強い人気を確保しているのがカラヤンです。
「ベートーベンの交響曲体験の始まりの曲であり、その時以来、私の演奏の聴き方の根っこになったカラヤンに一票です。63年の演奏で。実はカラヤンのベートーベンはあまり好みではありません。この時の全集でも他はどうも・・。しかし、このレコードだけはつややかで筋肉質で、ゆとりのある勢いというか、今どきのたとえで言えばディープインパクトの走りっぷりのような?とにかくその後の全集にもない、私の大好きなカラヤンがいるのです。」
「カラヤンBPOの60年代初期の演奏に一票。冒頭の和音を単なるイ長調と言い切ったカラヤンの,新時代のトスカニーニたらんとした壮年時代の満々とした覇気がこの曲では大きく生きている。ここからは余談だが,この律動性が高く,外向的な交響曲は聞き手の過剰な思い入れを受け付けないところがある。好きな交響曲の第1位を獲得するほどの人気曲であるにもかかわらず,この曲について熱く語った文章を私は読んだことがほとんど無い。また,その一方で,ラブコメディーを無責任に盛り上げたりするなど扱いに困る曲ある。決定番の出にくい交響曲の筆頭かも知れない。最近の演奏ではアンドリュー・デイビスがBBC交響楽団をプロムスで振った演奏が浪花節的なまでに熱く,良いと思ったがレコード化されていないようなのでこれは番外。」
確かに、50年代のフィルハーモニーとの録音やBPOとの最初の全集などは実に颯爽とした演奏でユング君も悪くないと思います。実はユング君も最近はもう少しカラヤンを聴き直さないといけないと思い始めています。
その次は意外や意外、トスカニーニが第4位に食い込みました。
「トスカニーニに一票、あの刻みいいテンポでこの曲の特性が生かされていると同時に猛烈なエネルギーの爆発も感じます。」
「トスカニーニ翁に1票。ただし,8番とセットで。ワタシ的には,7番にはフルヴェン流アッチェレランドは合わないように思います。やっぱ日本人。バッカスの狂乱よりも阿波踊りの恍惚を,とでも申しましょうか・・・。」
もちろんユング君もトスカニーニは大好きですので、この大健闘にはニッコリでした。
そして、朝比奈あたりまでがそれなりにまとまった票が入ったのですが、残念ながら朝比奈へのコメントはありませんでした。私の予想では朝比奈のポジションは彼の死によって今後下がることはあっても上がることはないと思います。
その他の寄せられたコメントより
「こんなことを書いてはいけないでしょうが、リストにあがっている指揮者を見て、いったい何人が、全て聴いたことがあるのだろう、とまず思いました。すこし詳しい人ならクライバーに投票し、初心者ならカラヤンに投票するのではないでしょうか。一家言ある人はそれぞれ理由をつけて、フルトヴェングラー、クレンペラー、セルあたりに入れるでしょう。そんなことを言ってみてもはじまりませんが・・・。私は、もしテンシュテットがあればテンシュテットに投票しますが、この顔ぶれだと、フルトヴェングラーでしょうか。ただ、気分によってはクライバーのこともあるし、セルのこともあります。あくまで今の気持ちだとフルトヴェングラーということです。とはいえ、いわゆる「永遠の名盤」であることは間違いないですね。」
そうでしょうね。ユング君は一応自分が聴いたことがある人しかノミネートしないことにしていますので、
「フリッチャイは絶対項目があるだろうと思ったら、なかった(管理人さんはあんまりフリッチャイを聴かれないのかなー?)。残念。そんなわけでなんとなくクライバーにいれてみたのだった。」などと言われたりします。
「ついにクライバーがフルトヴェングラーをおさえて首位ですね。こちらのサイトを閲覧している方々が「何が何でもフルトヴェングラー」という単純な考え方で投票しているのではないことは重々承知しておりますが、それでもこの展開にはドキドキしてしまいます(笑)。」・・・最後はやはりフルヴェンでした・・・。
「フリッチャイに100票数年後にはパブリックドメイン これからffssとかのハイファイステレオが続々P/D入りですね。」
「ベートーヴェンを私の思うように創造してくれるのはクレンペラーとヘルマンである笑」
「皆さんご存知ない方も多いと思いますが、ベートーヴェンのハ短調とイ長調の交響曲はあのリヒャルト・シュトラウスがベルリン国立歌劇場管弦楽団を振って録音しています。すこぶる名演です。ハ短調の方が音質もいいし、イ長調の方は終楽章がSPに収まらないから174小節もカットしていますが、これも非常にいい演奏です。指揮者シュトラウスを忘れない為にも彼の演奏に一票!」
最後に・・・、
「例によってフルトヴェングラー(ベルリンフィルとの1943年ライヴ)の一位は揺るがないのですが、今回もいくつかの演奏の素晴らしさを実感することが出来ました。ベーム・ウィーンフィル(評判のあまりよくないスタジオ録音)は今回聴きなおしてやはり自分にとっての原点とも言うべき演奏であることを再確認しました。ワルター・コロンビア響、モントゥ・ロンドン響、ジュリーニ・シカゴ響はこの曲でも素晴らしく、ライナー・シカゴ響も簡潔かつ鮮やかな演奏で「舞踏の聖化」に相応しい演奏でした。一番驚いたのはブロムシュテット・ドレスデン国立歌劇場管。冒頭から遅い、重い、こんなに頑固というか強固な演奏は聴いたことがありません。とりわけ終楽章の押して押して押し捲る演奏はこれまでもっていたドレスデンのイメージからは思いもよらない凄まじさでした。最後に今年一年これほど集中して音楽を聴くことが出来る切っ掛けを与えてくださったユングさんに感謝します。有難う御座いました。」
こちらこそ、このようなコメントをいただいてうれしい限りです。
今年もいい音楽を聞いて、それをどんどん発信していきたいと思いますので、本年もよろしくお願い申し上げます。・・・と言うことで、2007年のトップページアンケートは「naoh」さんからの提案を採用させていただくことにしました。
『前回のアンケートで100票以上入った曲ということで
チャイコフスキー交響曲第4番
チャイコフスキー交響曲第5番
ショスタコーヴィチ交響曲第5番「革命」
ベートーヴェン交響曲第6番「田園」
ブルックナー交響曲第7番
ブルックナー交響曲第8番
シューベルト交響曲第8番「グレート」
ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界から」
ブルックナー交響曲第9番
マーラー交響曲第9番
モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」
1曲足りませんが
最後に交響曲の父、『パパ・ハイドン』から1曲』
これでまた今年一年ネタに悩まずにやっていけそうです。「naoh」さんには心より感謝申し上げます。
これに各アンケートの次点の作品も追加して再び第1番から「交響曲対決の続編です。(^-^)V 誰の指揮でききたいですか?」シリーズを続けたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m