クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

シューマン:マンフレッド序曲 作品115

シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団 1959年10月5日録音





Schumann:Manfred Overture, Op115


流浪の旅を続けるマンフレッド

バイロンの詩劇「マンフレッド」に触発されて作曲されたもので、序曲と15の場面かな成り立っています。しかし、序曲だけは非常に有名であるのに対して、それに続く15の音楽が演奏されることはほとんどありません。
やはり、オペラでもなければオラトリオでもない、「詩劇」というスタイルが今の時代にはマッチしないのでしょうか。

また、バイロンの「マンフレッド」も、今ではどの程度のポピュラリティがあるのかも疑問です。少なくとも、日本でこの題名を聞いてシューマンの序曲を思い出す人はいても、バイロンの作品を思い出せる人は少数でしょう。
流浪の旅を続けるマンフレッドが、かつて捨て去った女性(アスタルテ)の霊と地下の国で会い、その許しを得ることで救われるという話です。

そして、このバイロンの作品全体を総括するような音楽がこの序曲なのですが、それはストーリーを標題音楽的にまとめるのではなくて、物語の中でシューマンが感じとったマンフレッドの姿を純粋器楽の形式で表現したものになっています。

オケが完璧に鳴りきっているがゆえに他の指揮者では聞けない「熱さ」に満ちあふれている


シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 「春」作品38の演奏へのコメントです
第1楽章の導入部はミンシュにしてはゆったりとした感じで入ってくるのですが、主部に入るやいなや、まってましたとばかりの快速テンポで駆けだしていきます。
しかし、その後はどちらかと言えば真っ当なテンポと造形で、続く第2楽章のラルゲットもしみじみと入念に歌い上げています。

そして、その流れは続く楽章にも引き継がれ、全体としては非常に真っ当なシューマンに仕上がっています。
考えてみれば、第1楽章冒頭の導入部は「Andante un poco maestoso」で、それに続く主部は「Allegro molto vivace」です。

少しばかり荘重な足取りでゆったりと歩んできたものが、一気にかけ出せと指示しているのですから、このミュンシュのやり方が真っ当だと言うことになります。しかし、ここまで見事にギアを入れ替えて風景を一変させる演奏も珍しいのではないでしょうか。

しかしながら、このミュンシュの処理が作曲家の指示に従った真っ当なものだとすると、音楽全体も全てが真っ当な仕上げになっていると言うことになります。スコアを見ながらキッチリと確認したわけではないですが、奇異なことは一切していないように思います。
ただし、シューマンらしい少しばかりくすんだ響きでありながら、オケは完璧に鳴りきっています。
その完璧に鳴りきっているがゆえに、音楽には他の指揮者では聞けない「熱さ」に満ちあふれることになります。そして、そう言うミュンシュの指揮に余裕でついて行くボストン響の上手さにはあらためて感心させられます。

シューマンの交響曲というのはオケにとっては難物らしいですが、そう言う危うさは微塵も感じさせません。

随分昔の話になるのですが、知人が所属していた市民オケが何を間違ったのか定期公演でこの作品を取り上げた事があったそうです。その演奏会は、そのオケの黙示録に長く刻み込まれる「地獄絵図」となったそうです。
それ以後、そのオケではシューマンの交響曲は永遠に封印されることになったとか・・・。。

まあ、較べるのが間違いなのですが・・・。

よせられたコメント

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2026-09-11]

J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067(J.S.Bach:Orchestral Suite No.2 in B minor, BWV 1067)
クルト・レーデル指揮:(Fl)クルト・レーデル ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年2月録音(Kurt Redel:(Fl)Kurt Redel The Pro Arte Chamber Orchstra of Munich Recorded on February, 1962)

[2026-09-08]

サンティーノ・ガルシ:リュート曲集(Santino Garsi:Pieces For Lute)
(Lute)ヴァルター・ゲルヴィッヒ:1953年4月7日~8日録音(Walter Gerwig:Recorded on April 7-8, 1953)

[2026-09-06]

オーランド・ギボンズ:幻想曲(Gibbons:Fantasies)
スコラ・カントゥルム・バジリエンシス・ヴィオール属合奏団:1954年4月29日~5月3日録音(Gambenconsortder Schola Cantorum Basiliensis:Recorded on April 29-May 3,1954)

[2026-09-04]

シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70(Schumann:Adagio and Allegro, Op.70)
(Hr)デニス・ブレイン:(P)ジェラルド・ムーア 1952年録音(Dennis Brain:(P)Gerald Moore Recorded on 1952)

[2026-09-02]

C.P.E. バッハ:フルート・ソナタ ト短調, H.542.5(C.P.E.Bach:Flute Sonata in G minor, H.542.5)
(Fl)オーレル・ニコレ (Harpsichord)カール・リヒター 1963年6月12日~15日録音(Aurele Nicolet(Harpsichord)Karl Richter Recorded on June 12-15,1963)

[2026-08-30]

アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ長調, OP.7 No.6(Albinoni:Oboe Concerto in D major, Op.7 No.6)
レナート・ファッサーノ指揮:(Ob)レナート・ザンフィーニ ローマ合奏団 1958年発行(Renato Fasano:(Ob)Renato Zanfini Virtuosi Di Roma Published in 1958)

[2026-08-28]

J.S.バッハ:管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066(J.S.Bach:Orchestral Suite No.1 in C major, BWV 1066)
クルト・レーデル指揮:ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年2月録音(Kurt Redel:The Pro Arte Chamber Orchstra of Munich Recorded on February, 1962)

[2026-08-26]

ヒンデミット:葬送音楽(Hindemith:Funeral Music)
ルドルフ・バルシャイ指揮モスクワ室内管弦楽団 1958年録音(Rudolf Barshai:Moscow Chamber Orchestra Recorded on 1958)

[2026-08-23]

J.S.バッハ:リュート組曲 第3番 ト短調, BWV 995(Bach:Suite For Lute No.3 In G Minor, BWV 995)
(Lute)ヴァルター・ゲルヴィッヒ:1949年11月22日録音(Walter Gerwig:Recorded on November 22, 1949)

[2026-08-20]

ヘンリー・パーセル:ヴィオールのための幻想曲集(Henry Purcell:Fantasies For Viols)
スコラ・カントゥルム・バジリエンシス・ヴィオール属合奏団:1954年4月29日~5月3日録音(Gambenconsortder Schola Cantorum Basiliensis:Recorded on April 29-May 3,1954)

?>