クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

ベートーベン:弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調Op.127

ブッシュ弦楽四重奏団 1936年10月16日~17日&11月2日録音





Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127 [1.Maestoso - Allegro]

Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127 [2.Adagio, ma non troppo e molto cantabile - Andante con moto]

Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127[3.Scherzando vivace]

Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127 [4.Finale. Allegro]


後期作品群の幕開け

ベートーベンは中期を代表する一連のカルテットを書き終えると、その後パッタリとこのジャンルから遠ざかってしまいます。そんなベートーベンが最晩年に帰ってきたのがこの弦楽四重奏曲の世界でした。

弦楽四重奏曲は「4人の賢者による対話」などと言われますが、この言葉が最もピッタリくるのはこのベートーベン最晩年の作品群でしょう。

しかし、一般的には難解と言われる弦楽四重奏曲の中でも最も高い精神性を示すだけに、ククラシック音楽を聴き始めて間もない人には取っつきにくいと思われがちですが、ユング君の私見では中期の作品よりは聞きやすいのではないかと思っています。
それは、中期の作品は何よりもがっしりと構築的に作品が組み立てられていますので、聞きこなすにはある種の慣れのようなものが必要です。しかし、後期の作品群はその様な構築性は後退し、それよりは旋律線が重視されるようになっているからです。
声部から声部へとメロディが歌いつがれ、そこから何とも言えないファンタジーが浮かび上がってくるところにベートーベンの後期作品の特徴があります。これはピアノソナタでも同様です。ただ、ベートーベンのすごいのはそのファンタジーを通して深い思索の世界に聞き手を誘って行くところです。それは聞き手の器にあわせて、そして演奏する側にとってもその器にあわせて、己の姿を顕現させていきます。

考えようによっては恐ろしい作品です。

今となっては二度と聞くことのできない演奏スタイルです。


第2楽章の変奏曲形式の中へ深く深く沈潜していく演奏スタイルこそがこの楽団の真骨頂でしょうか。
また、武骨であり無愛想でありながら、その底から何とも言えないロマンティックな音楽が聞こえてきます。今となっては二度と聞くことのできない演奏スタイルです。

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