クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

ヘンデル:ラルゴ(オン・ブラ・マイフ)

チェロ:ガスパール・カサド 1935年録音





Handel:ラルゴ(オン・ブラ・マイフ)


チェロ:ガスパール・カサド 1935年録音

 何のCMだったのかは忘れてしまいましたが、テレビの威力とはすごいものです。確か、その年の紅白で佐藤某というオペラ歌手が出場してこの曲を歌ったのではないでしょうか。
 ちょっと記憶が曖昧で大嘘かもしれませんが・・・(^^;

 でも、CMで歌っていたのはキャスリン・バトルだったことはしっかりと覚えています。
 このCMのせいかどうか知りませんが、当時は大変な人気で次々と彼女のCDが出ました。
 ところがコンサートではあまりにも線が細く、声量も乏しくてずいぶんがっかりさせられた事も鮮明に覚えています。確かに透明感のあるきれいな声ではありましたが、劇場で通用するにはちょっと苦しいものがありました。
 よく似た人にバーバラ・ヘンドリクスがいますが、彼女よりもさらに線が細くて声量に乏しかったように思いますから、これはどうしようもないなという感じでした。
 そういえばいつの間にか名前も聞かなくなりましたがどうしているのでしょうか?
 何かのきっかけでちょっと人気が出るといいように酷使されて、実力を磨くための余裕も時間も与えられないうちに使い捨てにされる人がいますが、彼女もまたそういう人々の一人になってしまったのでしょうか。
 だとすれば、これもまた哀れな話です。

 さて、ヘンデルといえばメサイアですが、このラルゴ(オン・ブラ・マイフ)によってオペラ作曲家というもう一つの顔に出会うことができました。今では劇場で彼のオペラが上演されることはほとんど無くなってしまいましたが、実に多くのオペラを書いた人でした。(そのへんがオペラを1曲も書かなかったバッハと好対照です。)
 実はユング君もヘンデルのオペラを全曲通して聞いたことは一度もありません。オペラ作曲家としてのヘンデルの「認知されない度」は大変なものがあります。(^^;
 でも、そのオペラのアリアの中にこんな素敵な音楽があるわけですから、丹念に探せば眠っている宝石が他にもあるのではないでしょうか。
 名前はそれなりに有名でも、その業績という点についてはごく一部にしか光が当たっていないという人が結構いますが、ヘンデルはさしずめそういう存在の最右翼だと言えます。
 せめてバッハの半分でいいからもっと注目が集まらないものかと思うのはユング君だけでしょうか。

ガスパール・カサド


師であるカザルスの影になってしまってあまり知られることのないチェリストです。しかし、最近は作曲家としてのカサドにも光が当てられ、同時に埋もれていた録音も少しずつCD化されるようになり、演奏家としてのカサドにも再評価が進んできています。

こういう小品を聴いただけで云々ができるはずはないのですが、是非頭の片隅に「ガスパール・カサド」をとどめておいていただけたらと思います。

よせられたコメント

2010-08-28:恒石幸子


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-10-02]

J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV.562(Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 562)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-09-30]

ベートーベン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(Beethoven:Fantasia in C minor for Piano, Chorus and Orchestra, Op.80)
(P)ハンス・リヒター=ハーザー カール・ベーム指揮 ウィーン交響楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 (S)テレサ・シュティヒ=ランダル (A)ヒルデ・レッセル=マイダン (T)アントン・デルモータ (Br)パウル・シェフラ 1957年6月録音(Hans Richter-Haaser:(Con)Karl Bohm Wiener Wiener Symphoniker Staatsopernchor (S)Teresa Stich-Randall (A)Hilde Rossel-Majdan (T)Anton Dermota (Br)Paul Schoffler Recorded on June, 1957)

[2025-09-28]

エルガー:コケイン序曲 Op.40(Elgar:Cockaigne Overture, Op.40)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年5月9日&8月27日録音(Sir John Barbirolli:The Philharmonia Orchestra Recorded on May 9&August 27, 1962)

[2025-09-26]

ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60(Beethoven:Symphony No.4 in Bflat major ,Op.60)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1962年1月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on January, 1962)

[2025-09-24]

フォーレ:夜想曲第3番 変イ長調 作品33-3(Faure:Nocturne No.3 in A-flat major, Op.33 No.3)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)

[2025-09-22]

ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op. 51-2(Brahms:String Quartet No.2 in A minor, Op.51 No.2)
アマデウス弦楽四重奏団 1955年2月11日~12日&14日録音(Amadeus String Quartet:Recorde in February 11-12&14, 1955)

[2025-09-20]

エルガー:序曲「フロワッサール」, Op.19(Elgar:Froissart, Op.19)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)

[2025-09-18]

バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564(Bach:Toccata, Adagio and Fugue in C major, BWV 564)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-09-16]

メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54(Mendelssohn:Variations Serieuses, Op.54)
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月20日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 20, 1957)

[2025-09-14]

フランク:天使の糧(Franck:Panis Angelicus)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)

?>