ベートーベン:ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」
シュナーベル 1934年4月25日録音
Beethoven:ピアノソナタ第21番「第1楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第21番「第2楽章」
天空を仰ぎ見るようなおおらかさを持った作品
ベートーベンの中期を代表する傑作の一つです。
今までのピアノソナタにはなかったような演奏効果を盛り込んで、実に聴き応えのある作品に仕上がっています。誰かが言ったようにまさに天空を仰ぎ見るような作品です。
また表題となっているワルトシュタインは、ベートーベンのパトロンの一人であったワルトシュタイン伯爵によるものです。ワルトシュタイン伯爵はボン時代のベートーベンに「モーツァルトの精神をハイドンから受け取りなさい」と言って、ウィーンに旅立つベートーベンを励ました人です。
経済的にも大きな支援を与えた人物ですが、それ以上にその豊かな教養がベートーベンに大きなプラス面をもたらした人として注目に値します。その意味で、まさにこの傑作を献呈されるにふさわしい人物だったといえます。
ピアノソナタ21番「ワルトシュタイン」 Op.53 ハ長調
第1楽章
アレグロ・コン・ブリオ ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章
アダージョ・モルト ヘ長調 8分の6拍子 三部形式
天使のほほえみがにわかに雲に覆われたよう。導入部をそのように喩えた人がいました。
よせられたコメント
2011-03-01:カンソウ人
- 物凄いエネルギーが噴出する。
自分としては、ミスタッチがこのピアニストの演奏に関しては多いからと言って問題では無いように思う。
しかし、シュナーベルにしては、ミスタッチが少なくて一般的に聴き易くて評価し易い部類に入るだろうと思う。
フルトベングラーのベートーベン交響曲演奏に対しては、ミスや合奏の縦の線が揃わない事に対して寛容なのに、クナの演奏に関しても。
シュナーベルやコルトーの演奏は、ピアノ演奏におけるフルベンやクナだと思わなければならない。
好き嫌いの問題では無くて、表現主義的演奏様式なのである。
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