ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」より第4番「冬」
Vn.カウフマン スウォボダ指揮 コンサートホール室内管弦楽団 1947年12月25・30・31日録音
Vivaldi:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み(四季他)」第4番「冬」「第1楽章」
Vivaldi:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み(四季他)」第4番「冬」「第2楽章」
Vivaldi:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み(四季他)」第4番「冬」「第3楽章」
「四季」と言った方が通りがいいですね(^^;
ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」と言うよりは、「四季」と言った方がはるかに通りがいいですね。
ただヴィヴァルディは12曲からなる協奏曲集として作品をまとめており、その中に「春」「夏」「秋」「冬」という表題がつけられている4曲が存在するわけです。
それにしてもこの4曲をセットにして「四季」と名付けられた作品のポピュラリティには驚くべきものがあります。特に、「春」の第1楽章のメロディは誰もが知っています。
まさに四季といえばヴィヴァルディであり、ヴィヴァルディといえば四季です。
そして、その功績は何と言ってもイ・ムジチ合奏団によるものです。
ある一つの作品が、これほど一人の作曲家、一つの演奏団体に結びつけられている例は他には思い当たりません。(試しに、ヴィヴァルディの作品を四季以外に一つあげてください。あげられる人はほとんどいないはずです。)
そのような有名作品の中で、ユング君が一番好きなのがこの「冬」です。
これは明らかに北イタリアの冬です。ローマやナポリの冬ではありませんし、ましてや絶対にドイツの冬ではありません。
ヴィヴァルディが生まれ育ったヴェネチアは北イタリアに位置します。その冬は、冬と言っても陽光のふりそそぐ南イタリアと比べればはるかに厳しいものですが、ドイツの冬と比べればはるかに人間的です。
厳しく、凛としたものを感じさせてくれながらも、その中に人間的な甘さも感じさせてくれるそんな冬の情景です。
四季といえば「春」と思いこんでいる人も、少しは他の季節にも手を伸ばしてくれればと思います。(^^)
ルイス・カウフマンの略歴・・・など
1905年にポーランドで生まれ、その後アメリカに渡ってロサンゼルス・フィルに所属して活躍します。そのロス時代に数多くの映画音楽でソリストとして活躍し、とりわけ「風とともに去りぬ」で名声を獲得します。戦後はハイフェッツなどと並んでアメリカを代表するヴァイオリニストとして活躍するのですが、とりわけ数多くの20世紀作品の初演を行ったことで有名です。
そういう彼にとってバロック音楽の超有名作品である「四季」の録音というのは何だかミスマッチのような気がしますが、実はこの録音が「四季」の世界最初の録音なのです。その当時はヴィヴァルディというのはほとんど忘れ去られた作曲だったので、世間で知られざる作品を紹介するという点では共通点があったといえます。(まさかこの作品がその後これほどまでも有名な作品になるとは夢にも思わなかったことでしょう。)
かなり規模の大きなオケを使って、さらに通奏低音にオルガンを使っていたりと、今から見ればかなりの懐かしさを感じさせる演奏ですが、それもまた歴史の一齣として十分に楽しむことができるのではないでしょうか。
よせられたコメント
2008-11-08:河合哲郎
- 世界初の録音という点でも興味しんしんだが、この演奏のなんと古色蒼然としたビルトオーソ的な響き、イムジチのあのさわやかさ(当時の感覚です)に比べて、なんと時代がかった演奏なんでしょう!でもかえってそれが新鮮だったりして。
2014-12-14:所 謙三
- 私は「冬」の第二楽章が特に好きです。昭和25年(1950年)前後の中学・高校生時代にNHKラジオ放送の毎夜終了時のテーマ曲として流れていたのに魅せられたのが始まりです。と云ってもその曲が「冬」の第二楽章と知ったのは後年のことです。ミュンヒンガー指揮・バルヒエットVn・1951年録音の国産四季LPを購入し、輸入版ミニスコアーを見ながら当時何度も聴き入りました。その頃Vnのレッスンに通うとともに学生オーケストラで易しい曲の素人合奏も楽しんでいました。就職数年後から音楽と遠ざかりましたが、定年退職後に四季のCDを少し集めました。1958年・1972年録音のミュンヒンガー盤二種、1955年・1959年・1969年・1988年録音のイムジチ盤四種などを揃えましたが、カウフマン盤を聴くのは今回が初めてです。ミュンヒンガー・バルヒエット盤に馴染んでいたせいか、カウフマン盤にはある種の「まろやかさ」を感じました。
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