スーク:弦楽セレナーデ
ターリッヒ指揮 チェコフィル 1938年12月録音
Suk:弦楽のためのセレナーデ「第1楽章」
Suk:弦楽のためのセレナーデ「第2楽章」
Suk:弦楽のためのセレナーデ「第3楽章」
Suk:弦楽のためのセレナーデ「第4楽章」
18才の青年と14才の少女の恋
スークと言えば今ではヴァイオリニストのスークの方が有名になってしまいましたが、ここで取り上げているのはそのスークのお祖父さんに当たる人物です。もちろん祖国のチェコでは今でも有名な作曲家だと思うのですが、彼の先生に当たるドヴォルザークと比べればその知名度は残念ながら足元にも及びません。
そんなスークですが、この弦楽のためのセレナーデは演奏される機会の多い作品です。
スークは南ボヘミアの小さな村クジェチョヴィツェに生まれました。
幼い頃から優れた音楽的才能をあらわし、11歳でプラハ音楽院に入学したという早熟の天才です。そして、そのプラハ音楽院で教鞭をとっていたのがドヴォルザークであり、スークは彼の強い影響のもとで作曲家としてスタートしました。
この弦楽セレナーデもドヴォルザークのコピー作品だといわれても仕方がないほどに、ドヴォルザークの強い影響力を感じさせられます。
しかし、じっくりと耳を傾けてみると、作曲当時18才だった若きスークの青春の歌が聞こえてきます。この時スークは、14才だったドヴォルザークの娘オティリェへと出会います。二人はすぐにひかれあい、6年後にはめでたく結婚をすることになるのですが、このセレナーデには、スークのオティリヘへの思いが込められています。
しかし、その恋は18才の青年と14才の少女のものだったことが、ドヴォルザークのセレナーデには聞けなかった歌をこの作品から紡ぎだしてくれました。
この上もなく伸びやかで屈託のない歌はスークならではの音楽になっています。
チェコフィルを育てた男
チェコフィルは数あるヨーロッパのオケの中でも特別な位置を占めているように思います。それは決してナンバーワンのオケになることはありませんが、常にオンリーワンの魅力を保持してきたことからくるステータスでしょうか。
そして、チェコフィルが持つその様な魅力を育て上げたのが、ターリッヒだといって間違いはないでしょう。
いささかぼけた録音なのでその魅力がどこまで伝わるのかは疑問ですが、そこは録音の少ない作品と言うことでご容赦ください。
よせられたコメント
2016-03-01:Joshua
- いろいろ音楽を聴いてきて、ふと、なんと懐かしい!!!と思わせてくれる曲です。
1938年のわりに小編成のせいか、音割れも少なく聴きやすいです。
チャイコやエルガーよりもずっと心が和みます。
ドヴォルザークは双璧かな。
なんというか、素朴な山村でおじさんおばさんが郷土の話をのんびり聞かせてくれる、っていう風情。
されど、退屈さはぜんぜん有りません。
レコードはないですねえ!
長岡京室内オケが入れてたようなきもしますが、Youtubeでは洗足学園オケがいい感じで演奏してましたよ。
チェコ人と言うのは、国が強大ではないので、忍耐強いんや、とホルンの恩師が教えてくれたもんです。弦のチェコ早世したティルシャル、古くはシュテフェックのHornの音色にそれが感じられるのは、気のせいでしょうか?
【最近の更新(10件)】
[2025-07-24]

コダーイ: ガランタ舞曲(Zoltan Kodaly:Dances of Galanta)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1962年12月9日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 9, 1962)
[2025-07-22]

エルガー:行進曲「威風堂々」第2番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 2 in A Minor])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)
[2025-07-20]

ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調, Op.53「英雄」(管弦楽編曲)(Chopin:Polonaize in A flat major "Heroique", Op.53)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)
[2025-07-18]

バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565(Bach:Toccata and Fugue in D Minor, BWV 565)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-07-16]

ワーグナー:ローエングリン第3幕への前奏曲(Wagner:Lohengrin Act3 Prelude)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月30日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 30, 1959)
[2025-07-15]

ワーグナー:「タンホイザー」序曲(Wagner:Tannhauser Overture)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1964年12月7日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 7, 1964)
[2025-07-11]

ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」(Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastoral")
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)
[2025-07-09]

エルガー:行進曲「威風堂々」第1番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 1 In D Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)
[2025-07-07]

バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537(J.S.Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 537)
(organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1961)
[2025-07-04]

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調, Op.64(Mendelssohn:Violin Concerto in E minor Op.64)
(Vn)ヨーゼフ・シゲティ:トーマス・ビーチャム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1933年録音(Joseph Szigeti:(Con)Sir Thomas Beecham London Philharmonic Orchestra Recoreded on 1933)