グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ショルティ指揮 ベルリンフィル 1959年録音
Glinka:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
オーケストラの性能テスト

今年は梅雨入りも早かったのですが、梅雨明けも早くてあれよあれよという間に真夏に突入してしまいました。しかし、世は「節電モード」でどうに意気が上がらないこと甚だしいです。
そこで、そんな沈滞ムードを吹き飛ばせそうな音楽はないものかと物色していて思いついたのが、この「ルスランとリュドミラ序曲」です。
「ルスランとリュドミラ序曲」なんて知らないよ・・・と言う人も、実際の音楽を聞けばどこかで聞いたことがあると思い出すはずです。
本体の歌劇の方は5幕8場からなる大規模なものですが、とにかくこの序曲だけはとても有名で、現在も頻繁にコンサートで演奏されます。その理由は、聞いてもらえれば一目瞭然ならぬ、一聴瞭然です。
言ってみれば、オーケストラの性能テストのような音楽であり、特に弦楽器群にとってはその手腕を見せつけるには最適な音楽となっています。
とにかく、一度はお聞きあれ!!
埋もれさせておくには惜しい録音
「ルスランとリュドミラ序曲」と言えば、真っ先に思い浮かぶのはムラヴィンスキーとレニングラードフィルが65年に録音した演奏でしょうか。あまりの凄さにのけぞり、さらには演奏が終了すると同時に拍手が入るので、「これってライブなの・・・アンビリーバブル!!」とのけぞってしまうような演奏でした。
しかし、このショルティの演奏もなかなかのものです。凶暴さでは決して負けていないように思いますし、何と言ってもベルリンフィルの弦楽器群が素晴らしいです。(もちろん、ムラヴィンスキーが振ったレニングラードフィルと比べてはいけません・・・)
ショルティのロシア物というのも数は少ないですし、埋もれさせておくには惜しい録音だと思い、取り上げることにしました。
よせられたコメント
2011-07-13:セル好き
- 同時期のクリュイタンス盤のベートーベン同様、解き放たれたベルリンフィルな演奏で、こちらは暴走気味。
こういうものはこんなもんよ。という感じで、後半少しこなれた感じになるあたりから前半は公開リハみたいな印象に。
2024-05-23:えふのふえ
- ショルティのロシア小品には確かロンドン響との物もあって、ややこしかったことを思い出します。17センチLPでいいずれかを聴いていました。いま聴き直してこれは間違いなくベルリンフィルの方であると膝(襟)を正して聴きなおしました。ベルリンフィルの凄いアンサンブルにはクリーブランドもシカゴもかないません(でした)ね。これが歪の少ない良い音で聴けたらと叶わぬことを考えました。
ところで私はいまマゼールのこの曲を探しています、クリーブランドではなくてイスラエルフィルの方です。昔ペトルーシカか何かの余白に入っていて素晴らしい音と演出だったように記憶しています。マゼールは大嫌いですが、もしお心当たりがございましたらお願いします。
2024-06-12:えふのふえ
- 20年ぶりです、えふのふえは「セルとクリーブランド管弦楽団が好きだ」の孫弟子です。マゼールの旧録音がやっと手に入ったので、昔「ペトルーシカ」にフィルアップされていた思い出の演奏を確かめてから、次にムラビンスキーと聞き比べてみました。音はもちろんDECCAの勝ち。演奏は引き分けですが後半のムラビンスキーの追い上げとまとめ方に少し分がありそうです。それでは肝心の(笑)どちらが速かったのか… 聴感上では引き分けですが実測してみると、ムラビンスキーが4分38秒で後半の追い上げが効いたのか僅差での勝利でした。未だ編集上のミスやピッチの改変などが無いかを精査する写真判定の段階ですが。(…何とかイスラエルpoの奮闘に軍配を上げたい・笑)
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