モーツァルト:交響曲第39番
フルトヴェングラー指揮 ベルリンフィル 1944年2月7〜8日録音
Mozart:交響曲第39番「第1楽章」
Mozart:交響曲第39番「第2楽章」
Mozart:交響曲第39番「第3楽章」
Mozart:交響曲第39番「第4楽章」
白鳥の歌
Googleで、「モーツァルト 白鳥の歌」と検索をかけてみると様々な作品が引っかかってきました。
まずは、「白鳥の歌」という言葉の概念通りに、彼の最後の作品となった「レクイエム:をあげている人、その少し前の「クラリネット協奏曲」に言及している人、さらには最後のピアノ協奏曲を引き合いに出している人と、実に多様です。
しかし、昔からモーツァルトの白鳥の歌といえばこの39番のシンフォニーをあげるのが定番でした。
もともと白鳥の歌というのは、「白鳥は死ぬ前に最後に一声美しく鳴く」という言い伝えから、作曲家の最後の作品をさす言葉として使われました。しかし、その後はもう少し拡大解釈されて、作曲家の最後に相応しい作品を白鳥の歌と呼ぶようになっているようです。
その意味でいえば、最後の三つの交響曲の中で最も明るく優美で、そして古典的な均衡を崩さないこの作品は「白鳥の歌」という言葉に最も相応しい作品だといえます。さらに、アインシュタインがこの作品に対して「あるのは永遠への訴えである」と語ったように、そこに彼岸的な美しさを見つけるならば、そのお思いはより確固としたものになります。
時代という名の刻印が刻み込まれた演奏
最初の一音を聞いただけで、これは異常な演奏だと言うことが分かります。これではまるで、ドン・ジョバンニの地獄落ちです。
白鳥の歌と称されるこの作品が持つ晴朗さや優美さからはほど遠い演奏ですから、作品の紹介にこの録音を使うのはミスチョイスといわれても仕方がありません。できれば近い内にもっとスタンダードな録音をアップしたいと思いますが、戦時下という異常な状況の下では音楽という芸術もまたある種の異常さを持たざるを得なかったのかとため息をつかされます。
戦争という時代の白鳥の歌は決して美しくは演奏できなかったということでしょうか。モーツァルトの白鳥の歌に時代という名の刻印が刻み込まれた演奏です。
よせられたコメント 2010-10-03:Sammy 録音が今一つで、音割れもあるので、評価しにくいところもあります。
が、あえて言えば印象としては、つらそうな感じに聞こえます。
リズミカルな部分での弾みきれない音は、こんな明るい音楽をどうしてやらざるを得ないのか、とでもいうかのような苦しさ、しんどさのようなものが伝わってきます。投げやりではない、しかしやりきれないように「えい」とぶつけるような強音もまた、がさついた痛々しさを伝えます。2楽章の異様なテンポのよどみと響きの暗さもまた独特です。
出来るものならやめてしまいたいけれども、やる以上はやりぬかないといけない、そういう状況だったのだろうか、などとあれこれ想像してしまいます。 2017-05-06:Joshua 盤鬼 西条卓夫 『名曲この一枚』にでてくるのが、これ。ものはかんがえようとおもいました。
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