ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
ヨッフム指揮 ベルリンフィル 1951年5月録音
Brahms:交響曲第2番 「第1楽章」
Brahms:交響曲第2番 「第2楽章」
Brahms:交響曲第2番 「第3楽章」
Brahms:交響曲第2番 「第4楽章」
ブラームスの「田園交響曲」
ブラームスが最初の交響曲を作曲するのに20年以上も時間を費やしたのは有名な話ですが、それに続く第2番の交響曲はその一年後、実質的には3ヶ月あまりで完成したと言われています。ブラームスにとってベートーベンの影がいかに大きかったかをこれまた物語るエピソードです。
第2番はブラームスの「田園交響曲」と呼ばれることもあります。それは明るいのびやかな雰囲気がベートーベンの6番を思わせるものがあるかです。
ただ、この作品はこれ単独で聞くとあまり違和感を感じないでのですが、同時代の他の作品と聞き比べるとかなり古めかしい装いをまとっています。この10年後にはマーラーが登場して第1番の交響曲を発表することを考えると、ブラームスの古典派回帰の思いが伝わってきます。
オケの編成を見ても昔ながらの二管編成ですから、マーラーとの隔絶ぶりはハッキリしています。
とは言え、最終楽章の圧倒的なフィナーレを聞くと、ちらりと後期ロマン派の顔がのぞいているように思うのはユング君だけでしょうか。
フルトヴェングラーが君臨していた時代のベルリンフィル
1951年と言えば、フルトヴェングラーがまさに「君臨」していたという言葉がぴったりの時代でした。この録音の直前にはベルリンフィルはフルトヴェングラーに伴われてエジプトへの演奏旅行を行っています。その演奏旅行ではブルックナーとブラームスを中心としてさらにチャイコフスキーの悲愴やベルリオーズなんかが演奏されています。
まさにフルトヴェングラーの魂が骨の髄にまで注入されていた時代のベルリンフィルです。
ですから、この録音をきけばフルトヴェングラーを思わず連想するような演奏に仕上がっています。もちろん音楽の造形に関してはフルトヴェングラーよりははるかに直線的ですが、オケの響きはまさにフルトヴェングラーです。
ユング君にとっては、ベルリンフィルのこの響きが聞けるだけで十分に満足です。
おそらく、その様な聞かれ方はヨッフムにとっては不本意だとは思うのですが・・・。
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