ショパン:ピアノ協奏曲 第1番
P:ディヌ・リパッティ アッカーマン指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 1950年録音
Chopin:ピアノ協奏曲「第1番」「第1楽章」
Chopin:ピアノ協奏曲「第1番」「第2楽章」
Chopin:ピアノ協奏曲「第1番」「第3楽章」
告別のコンチェルト

よく知られているように、ショパンにとっての協奏曲の第1作は第2番の方で、この第1番の協奏曲が第2作目の協奏曲です。
1930年4月に創作に着手され、8月には完成をしています。初演は、同年の10月11日にワルシャワ国立歌劇場でショパン自身のピアノ演奏で行われました。この演奏会には当時のショパンが心からあこがれていたグワドコフスカも特別に出演をしています。
この作品の全編にわたって流れている「憧れへの追憶」のようなイメージは疑いもなく彼女への追憶がだぶっています。
ショパン自身は、この演奏会に憧れの彼女も出演したことで、大変な緊張感を感じたことを友人に語っています。しかし、演奏会そのものは大成功で、それに自信を得たショパンはよく11月の2日にウィーンに旅立ちます。
その後のショパンの人生はよく知られたように、この旅立ちが祖国ポーランドとの永遠の別れとなってしまいました。
そう意味で、この協奏曲は祖国ポーランドとの、そして憧れのグワドコフスカとの決別のコンチェルトとなったのです。
それから、この作品はピアノの独奏部分に対して、オーケストラパートがあまりにも貧弱であるとの指摘がされてきました。そのため、一時は多くの人がオーケストラパートに手を入れてきました。しかし最近はなんと言っても原典尊重ですから、素朴で質素なオリジナル版の方がピアノのパートがきれいに浮かび上がってくる、などの理由でそのような改変版はあまり使われなくなったようです。
それから、これまたどうでもいいことですが、ユング君はこの作品を聞くと必ず思い出すイメージがあります。国境にかかる長い鉄橋を列車が通り過ぎていくイメージです。ここに、あの有名な第1楽章のピアノソロが被さってきます。
なぜかいつも浮かび上がってくる心象風景です。
若くしてこの世を去った天才ピアニストの遺産
録音が貧しいのが本当に残念です。
決別のコンチェルトとも言うべきこの作品を、この世への決別を目前にした一人の若き天才ピアニストが遺言のように残した演奏です。
おそらくこの演奏以上に、遠く離れた愛しきものどもへの憧れと追憶を感じさせてくれるものはありません。シューマンとグリーグの二つのコンチェルトと併せて、世紀をこえて受け継がれるべき人類の遺産です。
よせられたコメント
2008-11-01:かなパパ
- 演奏は良いのに、なぜかこもったような音になっているのが残念です。
クリアな音で保存されていたら、迷い無くダウンロードしていると思います。
2008-11-28:セル好き
- 意外にもカラリとした演奏で若々くも清々しい感じが素敵ですね。
ところで、音のこもった感じは、グラフィックイコライザを呼び出して2kと4kHzを持ち上げてやると、かなりよくなります。ウインドウズメディアプレーヤーの場合「表示」→「拡張設定」→「グラフィックイコライザ」で出ますので2kと4kを8くらいに上げてみてください。
2010-11-23:こどかな
- 素朴で味があり、いいです。
ショパンのピアノ協奏曲 第一番は、原智恵子さんの、演奏が好きでしたが、リパッテイもいいですね。のだめよりうまいです。
2012-11-27:oTetsudai
- 秋も終わりの枯葉舞う長く続く道を何処とはなく彷徨い歩く、そんなブラームスの交響曲第4番のようなはかなさがたまらなく愛おしく美しい。オーケストラは静かにピアノを慈しむように囲み、あたりはだんだん雪景色に染まって、やがてすべてが光の中に吸い込まれていく。そんな印象をもつ演奏です。
2012-11-27:安田
- しみじみと良い演奏だと感じます
二楽章のやや調子の外れた音が泣かせます
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