クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

ショパン:マズルカ全集

P:ルービンシュタイン 1952年~1953年年録音





Chopin:マズルカ Op.6 No.1

Chopin:マズルカ Op.6 No.2

Chopin:マズルカ Op.6 No.3

Chopin:マズルカ Op.6 No.4

Chopin:マズルカ Op7 No.1

Chopin:マズルカ Op7 No.2

Chopin:マズルカ Op7 No.3

Chopin:マズルカ Op7 No.4

Chopin:マズルカ Op7 No.5

Chopin:マズルカ Op.17 No.1

Chopin:マズルカ Op.17 No.2

Chopin:マズルカ Op.17 No.3

Chopin:マズルカ Op.17 No.4

Chopin:マズルカ Op.24 No.1

Chopin:マズルカ Op.24 No.2

Chopin:マズルカ Op.24 No.3

Chopin:マズルカ Op.24 No.4

Chopin:マズルカ Op.30 No.1

Chopin:マズルカ Op.30 No.2

Chopin:マズルカ Op.30 No.3

Chopin:マズルカ Op.30 No.4

Chopin:マズルカ Op.33 No.1

Chopin:マズルカ Op.33 No.2

Chopin:マズルカ Op.33 No.3

Chopin:マズルカ Op.33 No.4

Chopin:マズルカ Op.41 No.1

Chopin:マズルカ Op.41 No.2

Chopin:マズルカ Op.41 No.3

Chopin:マズルカ Op.41 No.4

Chopin:マズルカ Op.50 No.1

Chopin:マズルカ Op.50 No.2

Chopin:マズルカ Op.50 No.3

Chopin:マズルカ Op.56 No.1

Chopin:マズルカ Op.56 No.2

Chopin:マズルカ Op.56 No.3

Chopin:マズルカ Op.59 No.1

Chopin:マズルカ Op.59 No.2

Chopin:マズルカ Op.59 No.3

Chopin:マズルカ Op.63 No.1

Chopin:マズルカ Op.63 No.2

Chopin:マズルカ Op.63 No.3

Chopin:マズルカ Op.67 No.1

Chopin:マズルカ Op.67 No.2

Chopin:マズルカ Op.67 No.3

Chopin:マズルカ Op.67 No.4

Chopin:マズルカ Op.68 No.1

Chopin:マズルカ Op.68 No.2

Chopin:マズルカ Op.68 No.3

Chopin:マズルカ Op.68 No.4

Chopin:マズルカ No.51 A minor

Chopin:マズルカ No.50 A minor


ポーランドの代表的な民族舞曲

マズルカはポロネーズとならんで、ショパンが終生愛し続けたポーランドの民族舞曲です。ただし、ポロネーズが一般的に規模が大きくて劇的な性格を備えているのに対して、マズルカの方は規模がとても小さくて、そのほとんどが簡素な三部形式をとっています。

また、よく知られていることですが、マズルカと言ってもその性格や特徴は地域によって大きな差異があり、専門家の受け売りですが、基本的には「マズレック」「クヤヴィアック」「「オベレック」と呼ばれる3種類があるそうです。
そして、ショパンはそれらの形式を自由に取り入れて、例えば、マズレック風のリズムにクヤヴィアック風のメロディを重ねるなどして、自分なりに再構築をすることによって彼独特のマズルカという形式を作り上げていきました。

その意味では、ショパンのマズルカはポーランドの民族舞曲を母胎としながらも、時間を追うにつれてより一般的な性格を持っていったと言えます。
言葉をかえれば、土の香りを失う変わりにより洗練されていったと言うことです。
その分岐点はおそらくは中期の傑作と言われる作品番号で言えば33番の4曲あたりにあることに異存を唱える人は少ないでしょう。マズルカが本来持っていた粗野で鄙びた風情は姿を消して、明るさと軽さが前面にでてきます。ですから、よく「マズルカには華やかな技巧の世界は無い。」と言われますが、晩年のマズルカは和声的にも構成的にもかなりの工夫が凝らされています。
もちろん、どちらをとるにしてもショパンの音楽が素晴らしいことは言うまでもありません。

最も大きな喜びの一つ


ハイフェッツを集中的に聞こうと思ったのですが、あまり面白くないのでやめてしまいました。ただし、注意してほしいのは、その「面白くない」というのは決して彼の演奏が面白くないという意味ではありません。
ハイフェッツの録音を聞いて「面白くない」と思う人は、そうそういるものではありません。
私が、面白くなかったというのはそう言う意味ではなくて、彼の演奏というのはいつも同じように立派であり、同じように感心させられるので、集中的に聞いたからと言って何か新しいことを発見したり気づいたりすることがほとんどないので「面白くない」と思ったのです。

そこで、ハイフェッツに関してはポチポチと聞いていくことにして、次のターゲット(?)をルービンシュタインに変更することにしました。

ルービンシュタインというピアニストは生まれてから死ぬまで、ひたすらピアノを弾き続けた人だとと言えます。
わずか12歳でモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏してデビューしてから、89歳で引退コンサートを行うまで、ひたすらピアノを弾き続けました。
そして、その生涯は、まさに波瀾万丈です。
ありあまる才能に寄りかかって「遊び人ピアニスト」として浮き名を流した前半生、ホロヴィッツという新しい世代の登場に一念発起して一からピアノの勉強に取り組んだ50代、そして戦争に翻弄され、生涯ドイツという国を許さなかった気骨の音楽家・・・等々です。
しかしながら、正直に言うと、私の中ではルービンシュタインというピアニストはそれほど大きな存在ではありませんでした。彼の周りには、常に薔薇と酒の香りが漂い、どこか軽薄な雰囲気が感じられました。
そんな勝手な思いこみを打ち砕いてくれたのが、37年~38年にかけて録音されたショパンのマズルカとノクターンでした。特に、マズルカの録音には脳天をたたき割られたような驚きを感じ、その時の驚きを、次のように綴っています。

「このルービンシュタインの演奏からはショパンその人の「亡国の慟哭」が聞こえてきます。
ユング君は、このルービンシュタインの演奏を聞いて、昨今の馬鹿ウマの若手ピアニストによるショパン演奏が何故につまらないのかをハッキリと認識することができました。彼らの演奏からは「ほろりと流す涙」は感じ取れても、ショパンの「慟哭」が聞こえてこないのです。そして、完璧なテクニックによって再現されたショパンの音楽は美しくはあっても、それだけではショパンの抜け殻でしかありません。」

まさに絶賛です。しかし、残念ながら、このSP盤の演奏と、80に近くなってからステレオで録音されたマズルカの全集を聞き比べると、私にはその間には「下降線」しか見えてきませんでした。
結果として、私の中におけるルービンシュタインのイメージは多少は是正されたものの、依然としてその存在は「二流」の域を出るものではありませんでした。

しかし、今回、ルービンシュタインを集中的に聞くことで、実はその「下降線」としか見えなかった二点間に大きな欠落があったことに気づかされました。そして、その欠落は、考えてみればすぐに気づくはずなのに、何故か誰も指摘してこなかったのです。
その欠落とは、言うまでもなく「SP盤」と「ステレオ録音」の間に横たわる「モノラル録音」時代の演奏です。

しかし、調べてみて、それは仕方のないことだったことに気づかされました。
驚くことに、ルービンシュタインのショパン演奏と言えば晩年のステレオ録音ばかりが流通していて、50年代を中心としたモノラル録音時代の演奏はほとんど廃盤になっているのです。
私は、ここにも「著作権」の不合理と矛盾を感じます。

ショパンというのは決して優雅さだけのサロン音楽を書いた人ではありません。
そこには、ベートーベンにも負けないような強さがひそんでいて、ホロヴィッツの演奏などでそれを聞くと、例えば50年に録音された葬送ソナタなどを聴くとその事をはっきりと教えられるのです。そして、残念なことに、60年代のルービンシュタインによるステレオ録音からはそのような「激しさ」や「強靱さ」は感じ取れず、その音楽はあまりにもサロン音楽的な方向に傾斜していることを否定しきれないのです。
私が、ルービンシュタインの中に「下降線」しか見えなかったのはそのような不満があったからです。

しかし、今回、50年代のモノラル録音を集中的に聞いてみることで、実は下降線と見えたその中間に、偉大なるピアニストの時代があったことに気づかされたのです。
これは、一人の演奏家を評価する上で、何という不幸でしょう。

モノラル録音時代のルービンシュタインは、確固としたテクニックの上に直線的で潔ささえ感じられるほどのショパン像を造形しています。ここぞという場面で繰り出される強烈な打鍵はステレオ録音の時代には影を潜めてしまっていたものです。
そして、その冴え冴えとしたピアノの響きは、極上とも言えるモノラル録音のおかげでしっかりとすくい取られています。
確かに、こういう男性的なショパンを好まない人もいることは承知しています。
しかし、私は好みます。

そして、こういうルービンシュタインに接してみたおかげで、ステレオ録音のショパンは80に近い老人の手になるものであったことにあらためて気づかされました。それは、30年代後半のSP盤の時代と50年代のモノラル録音の時代、そして60年代以降のステレオ録音の時代をきちんと結んでみることで、結果としてあれやこれやの不満のあるステレオ録音にある種の納得感を持って接することができるようになったという事です。
私は愚かにも、60年代のステレオ録音をバリバリの現役ピアニストによる演奏であるかのように受け取っていたのです。しかし、あの演奏は、疑いもなく全てをなし終えたピアニストが万感の思いを込めて己の人生を振り返る中で生み出された録音だったのです。

40年代から50年代の、言葉をかえればモノラル録音時代のルービンシュタインは本当に凄いです。そして、この時代のルービンシュタインを聞くことなしに、彼を云々するのはナンセンス以外の何物でもありません。
幸いなことは、録音のクオリティがこの時代のものとしては「極上」の部類に属することです。そして、このような録音を発掘してきてサイトで報告できることは、このようなサイトを運営しているものにとっては最も大きな喜びの一つです。

よせられたコメント

2012-07-29:ろば


2012-11-14:マオ


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