クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

ラモー:クラヴサン曲集(1731)

(P)メイエル 1953年10月29〜30日録音





Rameau:クラヴサン曲集(1731)恋の嘆き(ロンド)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)ソローニュの雛鳥?&?(ロンド&ドゥーブル)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)溜め息

Rameau:クラヴサン曲集(1731)喜び

Rameau:クラヴサン曲集(1731)気紛れ(ロンド)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)ムーサ(ミューズ)たちの語らい

Rameau:クラヴサン曲集(1731)つむじ風(ロンド)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)一眼巨人たち(ロンド)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)少年(メヌエット)

Rameau:クラヴサン曲集(1731)跛


ラモーのクラヴサン曲集の概要

最近になってラモーのオペラやバレエも再演されるようになりましたが、長年、ラモーと言えばクラブサン曲集でした。しかし、そのクラブサン曲集なのですが、日本語に翻訳するといささかややこしいのです。
まず、彼がパリに意気揚々と出てきて、自信を持って発表したのが「Premier Livre De Pieces De Clavecin」で、これは普通「クラヴサン曲集 第1集」と日本語訳されています。ところが、この作品集は当時のパリでは全く無視されたようで、ラモーは失意の中で故郷のディジョンに戻ります。
そして、再起をかけて1724年に発表したのが、「Pieces De Clavecin」で、これは「クラヴサン曲集」としか訳しようがありません。これを第2巻としなかったところに、忘れてしまいたい屈辱の想い出として「Premier Livre De Pieces De Clavecin」が刻み込まれていたことがうかがえます。
この曲集はそれぞれ10曲からなる二つの組曲と把握されていました。ところが、最近、全音から出版されたベーレンライター原典版を見てみると、最初の組曲の方が「Pieces De Clavecin (1724)」、ふたつめの方が「Pieces De Clavecin (1731) 」ななっています。この記述を見ると、この二つの組曲は異なった年代に作曲されたとしか受け取れないのですが、専門家ではないのでよく分かりません。(コメント求む!!)
そして、最後の曲集は「Nouvelles Suites De Pieces De Clavecin」なので、「新クラヴサン組曲集」と訳されているようです。これ以外にも、細かい小品はいくつかあるようですが、ラモーのクラブサン曲の基本をなす作品は以下のようになるようです。

1.クラヴサン曲集 第1集(Premier Livre De Pieces De Clavecin)
2.クラヴサン曲集(1724)(Pieces De Clavecin (1724))
3.クラヴサン曲集(1731)(Pieces De Clavecin (1731))
4.新クラヴサン組曲集(Nouvelles Suites De Pieces De Clavecin)

時には、クラヴサン曲集「第1巻」「第2巻」「第3巻」と書かれることもあるようですが、正確には上記のようになるようです。
なお、作品のクオリティですが、「それほどでない」と言われることもある第1集でさえ、なぜに無視されたのか首をひねるほどの素晴らしさです。それ以後の曲集は、フランス近代のラヴェルやドビュッシーのピアノ小品を連想させるほどの素晴らしさです。
おそらく、大部分の人が(ユング君もそうでした!)、ラモーのクラブサン曲集なんて聞くのは初めてと思うのですが、是非とも耳を傾けてください。

何という優雅な響きであることか!!


メイエルが好んだのはフランス近代の作曲家と、ラモーやクープラン、スカルラッティなどのバロック時代作品と言うことで、何だか奇異な感じがしたのですが、なるほど、こうして実際に耳にしてみると、この両者の近しさに驚かされます。
この上もなくチャーミングで優雅な響き、まさにフランスの「粋」を感じます。これと一番遠いところにいるのが、間違いなくドイツのベートーベンの「野暮」です。そして、どういう訳か日本人は「野暮」にひかれるのですが、時にはその深刻ぶった「野暮」を中和するためにも、こういう「粋」の中に身を浸す必要があります。
それにしても、メイエルってこんなにも素敵なピアニストだったんだ!!
バックハウスやケンプだけがピアニストじゃないぞ!!!

<クラヴサン曲集(1731)>
1.恋の嘆き(ロンド)
2.ソローニュの雛鳥?&?(ロンド&ドゥーブル)
3.溜め息
4.喜び
5.気紛れ(ロンド)
6.ムーサ(ミューズ)たちの語らい
7.つむじ風(ロンド)
8.一眼巨人たち(ロンド)
9.少年(メヌエット)
10.跛

よせられたコメント

2009-08-03:gamma_ut


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-11-21]

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)

[2024-11-19]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)

[2024-11-17]

フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)

[2024-11-15]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-11-13]

ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)

[2024-11-11]

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)

[2024-11-09]

ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2024-11-07]

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)

[2024-11-04]

ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)

[2024-11-01]

ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調「冗談」, Op.33, No.2,Hob.3:38(Haydn:String Quartet No.30 in E flat major "Joke", Op.33, No.2, Hob.3:38)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1933年12月11日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on December 11, 1933)

?>