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ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1960年2月15日~17日録音

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [1.Overture]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [2.Danses Caracteristiques (A) March]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [3.Danses Caracteristiques (B) Dance Of The Sugar Plum Fairy]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [4.Danses Caracteristiques (C) Trepak - Russian Dance]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [5.Danses Caracteristiques (D) Coffee - Arabian Dance]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [6.Danses Caracteristiques (E) Tea - Chinese Dance]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [7.Danses Caracteristiques (F) Dance Of The Toy Flutes (Mirlitons)]

Tchikovsky:The Nutcracker Suite Op71a_1 [8.Valse Des Fleurs]

Schubert:Marche Militaire D733-1

Weber:Invitation_To The Waltz

Nicolai:The Merry Wives Of Windsor Overture


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一体どのような言辞を弄してクナを録音ブースに放り込んだのでしょうか?
プロデューサーは「レイ・ミンスハル(Ray Minshull)」なる人物です。調べてみると、彼はこれ以外にもベートーベンのピアノ協奏曲第5番(ピアノはカーゾン)を録音しています。

いやぁ、指揮者がクナッパーツブッシュでピアニストがカーゾンなんて、凄い組み合わせです。言ってみれば録音嫌いの東西両横綱のそろい踏みみたいな感じですから、この「Ray Minshull」なる人物はよほどの人格者だったのでしょう。
ちなみにカルショーは「指輪」の録音で、小さな子どもがわがままを言うようなクナの態度に手を焼かされて、指揮者の交代を社長に直訴しています。(クナでは4部作の録音は絶対に完成しない!)

それに対してレイ・ミンスハルは、わけの分からない子供の駄々みたいなものも受け流しながら録音したのでしょうから、偉いものです。そして、そのお陰で私たちはこんな楽しいアルバムを手に入れることが出来たのですから、感謝あるのみです。

収録曲は以下の通りです。


  1. チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」Op.71a

  2. シューベルト:軍隊行進曲Op.51-1

  3. ウェーバー:舞踏への勧誘Op.56

  4. ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房だち」序曲



  5. 音楽って楽しいぜ!!

    この録音もどうして今までアップしていなかったのだろう、と言う類の一枚です。最近はこの手の「大きな落ち穂」を拾う作業が続いています。(^^;

    演奏については、これもまた既に語り尽くされていますから何も付け加えることはないのですが、世間一般で言われるほど好き勝手な演奏をしているわけではないことは確認しておきたいと思います。

    特に、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、どうしてこの作品を取り上げたのだろうかと訝しく思う選曲なのですが、それ故にか極めて真っ当な解釈ののように聞こえます。DECCAの録音もそう言う解釈を浮き彫りにするかのように細部にまで焦点が合っていて、お菓子の妖精たちによる愉快なダンスの世界が紡がれていきます。
    そして、最後の総決算とも言うべき「花のワルツ」では華やかに場を盛りあげていきます。

    特に面白いのはそれに続くシューベルトの「軍隊行進曲」です。
    はっきり言って、クナッパーツブッシュのような「偉いマエストロ」ならば、こういう作品は振らないというのが常識でしょう。しかし、そう言う常識が通らないのがこの男の面白いところです。

    この男は変人と言われるのですが、如才のない面もあります。
    ナチスが台頭してきたときには、当時のドイツの文化人一般と同じく、彼らへの「嫌悪感」を隠しませんでした。しかし、彼らが政権を奪取し独裁体制を築くようになると、さすがにそこまでの「嫌悪感」を顕わにすることはありませんでした。
    しかし、基本が反骨的な人物ですから、事ある毎にその嫌悪感が表面に出ます。

    演奏会でのナチス式敬礼を拒否したり、ヒトラーを出迎えなかったりと言うことはよくあったようで、ついにはミュンヘンから追放されます。

    それでも、命までは狙われないように、ナチス主宰の音楽活動にも従事していく如才なさはあったようです。
    ただし、その様な音楽活動には随分と我慢ならないものがあったことは容易に想像できます。
    それだけに、このシューベルトの「軍隊行進曲」を聞いていると、そんなナチスをどこかでおちょくって、遅すぎた意趣返しをしているようにも聞こえるのです。

    最後の2曲については、音楽を大づかみにして誰にも真似の出来ない音楽に仕上げています。
    おそらくは、基本的に好きではなかったスタジオ録音なのですが、この時は奇跡的に全てが機嫌良く進んだようなのです。

    「ウィンザーの陽気な女房だち」の最後で大きく盛り上がっていくところ等を聞かされると流石はクナッパーツブッシュと思わせられるのですが、同時に「音楽って楽しいぜ!!」というクナ自身の声も聞こえてきそうな気がするのです。

    この演奏を評価してください。

    1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
    2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
    3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
    4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
    5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10

    

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    よせられたコメント

    2017-08-19:クライバーファン

    • この演奏は、20年以上前から知っていたのですが、このサイトにアップされた音源を聞いて感動し、ついに、タワーレコードに行って、CDを買ってしまいました。(クラシックのまともなCDを買うのは、3年ぶりぐらいです。)

      くるみ割り人形のトレパックの速くなり過ぎないテンポがこの指揮者らしいと思いました。
      クナッパーツブッシュには、あと2,3枚、ウィーン・フィルハーモニー & Deccaにステレオ録音を遺して欲しかったです。

    2020-06-08:コタロー

    • クナッパーツブッシュはウィーン・フィルを指揮して1957年頃にウィンナ・ワルツ等を集めたアルバムを録音していました。しかしステレオ初期の録音ということもあってか、平板でハイ上がりの音質になっていました。その点、このアルバムは1960年の録音で、音質が飛躍的に向上しています。
      演奏という面から見ると、くるみ割り人形の「花のワルツ」、そしてシューベルトの「軍隊行進曲」が特に印象に残ります。
      「花のワルツ」ではウィーン・フィルの美質が最大限に発揮されています。とりわけ、優雅な弦楽セクションやウィンナ・ホルンの独特な響きなど、他のオーケストラには真似のできないものでしょう。
      次いで「軍隊行進曲」では普段よく耳にするタウジッヒ編曲(オーボエが主旋律を演奏する)ではなくて、ウェニンガーという人の編曲による絢爛豪華なものを採用していますが、私は中間部のそこはかとない哀愁に心惹かれました。
      以上のように、このアルバムはクナッパーツブッシュの意外な側面がうかがえて大変興味深いです。
      このような名演奏をアップしていただいて、感謝です!




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