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SIBELIUS

<フィンランド:1865〜1957>

経歴


1865年12月8日、スウェーデン語を話す教養のある医師の家庭に生まれるが、幼くして父を失ったために、母方の祖母の許で育つ。
 5才でピアノを習いはじめ、11才から作曲を行う。15才からはヴァイオリンに熱中する。
 20才でヘルシンキ大学の法科学生になるが同時にヘルシンキ音楽院にも籍を置き、音楽理論や作曲、ヴァイオリンを学ぶ。その後、音楽への傾倒が激しく、法科を退学して音楽に専念する。最初はヴァイオリニストを目指すが、あがり性の性格故にコンサートで失敗し、以後作曲活動に専念することになる。
 1889年に音楽院を卒業したあとはベルリン・ウィーンと留学を続け、帰国した1891年にはヘルシンキ音楽院の教授に就任する。 翌92年には留学時代から書き始めていた「クレルヴォ交響曲」を完成させ大成功をおさめる。
 1897年からは政府から終身年金を受けるようになり、1900年にはヘルシンキ管弦楽団を伴ってパリ大博覧会に赴き、自作を指揮して国際的な評価を受けるようになる。この後20年にわたって各国への演奏旅行を行い国際的名声は揺るぎないものとなっていく。
 1904年からは住居をヘルシンキ近郊のヤルヴェンバーに移し、その静かな環境の中で第3交響曲以降のすぐれた作品を次々と生み出す。1908年には悪性腫瘍の手術を行うが健康を回復することが出来る。
 しかし年を追うにつれ発表される作品の数は減り始め、ついに1929年以降は一切の作曲活動を中断する。
 そして28年間の空白の後、1957年9月20日、ヤルヴェンバーにおいて92才の生涯を閉じる。

ユング君の一言


シベリウスといえば、常に晩年の28年にも及ぶ空白が語られます。一口に28年といってもこれは結構な期間です。
 日本の歴史に置き換えてみると、泥沼の15年戦争に突入する時期から敗戦を経て、連合軍の占領、朝鮮戦争、講和条約、そして国連加盟を果たしての国際社会への復帰という時間を覆うわけですから、大変な時間の流れです。
 その激動の時代をヤルヴェンバーという田舎でひたすら沈黙を守り続けたのですから、これは一体どうしたことだ多くの人が疑問に思うのは当然です。
 この空白の謎を解明するために多くの人が様々なことを語ってきました。
 しかしユング君は単なる創作力の衰えであったと思います。これだけでは身も蓋もないと言うのなら、自己批判力の強さが相乗して、結果として28年の空白をもたらしたのだと言えます。
 それにシベリウスが筆を断った時、すでに64才でした。この年齢を超えてなお旺盛に作曲活動を行い、後世に残るような作品を生みだした人がどれほどいるでしょうか?天才とよばれる作曲家は早く亡くなる人が多かっただけに、シベリウスの92才は大変な長生きです。
 サラリーマンで言えば定年をすぎた老人に若いとき以上の作品をのぞむのは酷というものです。
 そう考えれば、28年の空白は謎でもなんでもないと思うのですが、いかがなものでしょうか。

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