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BERLIOZ

<フランス:1803年〜1869年>

経歴


1803年12月11日、フランス南部の田舎町の医師の長男として生まれる。
 17歳までは家庭にあって父から一般教育を受け、1821年からはパリの医学校に進学する。
 しかし、そのパリでグルックなどのオペラに魅了されて作曲家を志すようになる。故郷の両親は強く反対するが、26年には父の許可を得てパリ国立音楽院に入学する。
 1830年にはローマ大賞を受賞してローマに遊学するが、この時にはすでに彼の代表作となる「幻想交響曲」を完成していた。
 32年にはパリに戻り、かつての失恋相手でったハリエット・スミッソンと再開して結婚する。これ以後彼は、ユゴー・リスト・ショパン・デュマなど、多くの文学者、音楽家と交流を持ち、また、新聞などに音楽評論を寄せるようになる。
 しかし創作面においては「イタリアのハロルド」や「レクイエム」などの大作を次々と発表するが、パリにおいては異端視されて大衆からは支持をされない日々が続いた。
 そのため、1842年からはフランスの国外に自作を携えての演奏旅行を行うようになる。
 ドイツ各地(42〜43)からプラハ・ブダペスト(45〜46)と演奏旅行を行い、その成功に自信を得て帰国後「ファウストの劫罰」を初演するがこれもまた成功をもたらさなかった。
 フランス2月革命後のパリに「フィラルモニック協会」を設立して積極的な音楽活動を展開するもこれも挫折し、ついに1854年、「キリストの幼児」ではじめて成功を勝ち取る。また、55年のパリ万博で「テ・デウム」が演奏され、56年にはフランス学士院会員にも選ばれれて、ようやくにして作曲家としての評価を固める。
 その後はオペラ「トロイアの人々」の作曲に打ち込むが、その規模の大きさゆえに上演の機会は与えられず、長年にわたった演奏旅行も67〜68年のロシア旅行で幕を閉じる。
 69年3月9日、持病であった腸の疾患が悪化してパリで生涯を閉じる。

ユング君の一言


彼はパリにおいては長く異端視されて入れられず、そのためずいぶんと苦悩多き人生を送った人です。
 でも、彼の作品の構成を見ればそれも仕方のないことかと思ってしまいます。とにかく編成が巨大すぎて、今日でも実際のコンサートで演奏されることは希です。
 CDで出すにしても経費がかかりすぎておいそれとは録音もできません。
 そのため数少ない手頃な楽器編成の作品である「幻想交響曲」ばかりが彼の代表作として演奏されることになります。

 もちろん幻想交響曲は優れた作品ですが、作曲を志して間もない頃の作品ですから、色々と問題の多い作品であります。中には、管弦楽法の最初の教科書を書いた人にしては酷いオーケストレーションだという人もいます。
 しかし、突然に作曲家を志した青年が専門教育を受け始めてからわずか2,3年で生み出した作品なのですから、それでベルリオーズの全生涯を評価したら過ちを犯すことになります。
 彼もまた全生涯を視野に入れたきちんとした再評価が必要な一人だと言えます。

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-03-27]

ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」序曲, Op.84(Beethoven:Egmont, Op.84)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1939年11月18日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on November 18, 1939)

[2024-03-25]

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パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-03-23]

ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲, Op.120(Beethoven:Variations Diabelli in C major, Op.120)
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[2024-03-19]

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調, Op.6(Paganini:Violin Concerto No.1 in D major, Op.6)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1950年1月15日録音(Zino Francescatti:(Con)Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestra January 15, 1950)

[2024-03-17]

チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 作品17 「小ロシア」(Tchaikovsky:Symphony No.2 in C minor Op.17 "Little Russian")
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[2024-03-15]

ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2(Haydn:Cello Concerto No.2 in D major, Hob.VIIb:2)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:ベルンハルト・パウムガルトナー指揮 ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 1958年録音(Andre Navarra:(Con)Bernhard Paumgartner Camerata Academica des Mozarteums Salzburg Recorded on, 1958 )

[2024-03-13]

ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番, Op.72b(Beethoven:Leonora Overture No.3 in C major, Op.72b)
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[2024-03-11]

ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
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[2024-03-09]

ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1組曲(Ravel:Daphnis et Chloe Suite No.1)
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