クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでストコフスキー(Leopold Stokowski)のCDをさがす
Home|ストコフスキー(Leopold Stokowski)|Inspiration(ストコフスキー 合唱の世界)

Inspiration(ストコフスキー 合唱の世界)

レオポルド・ストコフスキー指揮 ロンドン新交響楽団 ノーマン・リュボフ合唱 1961年6月19~20日録音

Beethoven: The Heav'ns are Telling Op.48 No.44

Traditional: Deep River

Handel: Xerxes: Largo

Humperdinck: Hansel & Gretel: Evening Prayer

Bach: Cantata BWV 147: Jesu, Joy of Man's Desiring

Rachmaninoff:Vocalise Op.34 No.14

attributed to Louis Bourgeois: Praise God From Whom All Blessings Flow

Wagner: Tannhauser: Pilgrim's Chorus

Bach: Cantata BWV 208: Sheep May Safely Graze

Tchaikovsky: Pater Noster from Nine Sacred Pieces

Gluck: Orfeo ed Euridice: O Saviour Hear Me


ストコフスキー 合唱の世界

昔はこういうレコードが作られていたんですね。
聞きなれた美しいメロディが、どれもこれもストコフスキー流にアレンジされて、この上もなくゴージャスに鳴り響きます。

また、録音も素晴らしくて、例えば「深い河」のそっと歌い出される冒頭の部分などはゾクッとするほどに魅力的です。
合唱の録音というのは技術的には非常に難しいと言われていますので、今でもこれを超えるものは少ないのではないでしょうか。


  1. ベートーベン:天は語る Op.48-4

  2. 黒人霊歌:「深い河」

  3. ヘンデル:ラルゴ~オンブラ・マイ・フ

  4. フンパーディング:夕べの祈り(歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より)

  5. バッハ:主よ人の望みの喜びよ(カンタータ第147番より)

  6. ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34?No.14

  7. あめつちこぞりて(頌栄)

  8. ワーグナー:巡礼の合唱(歌劇「タンホイザー」より)

  9. バッハ:羊は安らかに草を食み(カンタータ第208番より)

  10. チャイコフスキー:われらが父よ

  11. グルック:主よ、我をききたまえ(精霊の踊り?歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より)




私たちはコンサートで何を聞いているのだろう?

私の中でカラヤンに対する再評価が進んでいることは何度か書いてきました。

「ホロヴィッツやハイフェッツが、クラシック音楽という世界は「精神性」だけで成り立っているわけではないという当たり前の事実をものの見事に腕一本(いや、二本か?)で証明して見せたように、指揮芸術においても、つまらぬ知性などはどこかに放り出して、鬼のようなトレーナーと化してオケを鍛え上げ、究極のシンセサイザーとして超絶的にゴージャスで美麗なる音楽を聴かせることだけで成り立つことを証明して見せたのです。」

こんな風に書いてみて、もう一人思い当たったのがストコフスキーでした。かつて、彼のことを擁護してこんな事を書いていました。
「ストコフスキーという人は、日本では不当なまでに軽く見られています。猫も杓子も原典尊重が金科玉条のように奉られる時代にあって、ひたすら華やかさを求めてオーケストレーションに手を加え続けたのがストコフスキーでした。一言で言えば、クラシック音楽界の偉大な「芸人」でした。」

しかし、あの一文の中でこんな事も書いていました。
「エンターテイメントを前面に出していたという点では、カラヤンなどとも似通ったところがありましたが、カラヤンは「帝王」「マエストロ」等と言われて、自分自身も目一杯「芸術家風」を吹かせていました。」

正直言って、何も分かっていなかったと、恥じねばなりません。

カラヤンの録音を聞き続けるうちに、彼は途轍もないことを目指していたことに気づいたのです。
それは、私たちはコンサートに出かけていって「何を聞こう」としているのかという根源的な問題に突き当たったのです。

いや、そんなことを書けば、「何をバカなことを言っているんだ!音楽に決まってるだろう!」と言われそうなのですが、そうではなくて、「作品を聞いているのか、演奏を聞いているのか」という問題なのです。
そして、この問いかけに対する概ねの答がは「作品を聞いている」になることに改めて気づいて、本当にそれだけがクラシック音楽の聴き方として「正しいのか」と言うことに思い当たったのです。

そう言えば、天満敦子がこんな事を書いていました。
丸山真男が彼女に「あなたのコンサートからお帰りになるお客様に『今日はいいベートーベンだったね。』っていわれるような演奏家になりなさい」と言われたというのです。

それに対して彼女はその理屈はよく分かるとしながらも「天満のベートーベンを聴いてほしいと思う」と書いていました。

つまりは、丸山はコンサートで「作品」を聞きたいと思い、天満は「演奏」を聞いてほしいと言うのです。
そして、クラシック音楽の通は概ね「作品」を聞くことがより「本筋」であると考えていると言うことなのです。そして、いわゆる「芸術家肌」の演奏家もまた作曲家に仕え、その作品の素晴らしさを聞き手に伝えることを持って己の役割としてるのです。

「作品」を伝え「作品を聞き取るのがクラシック音楽の世界では「本筋」であり、逆に「演奏」を聞かせ「演奏」を聞きに行くのは一段落ちると見なされているのです。
しかし、こうして問題を整理してみると、何故に昨今のクラシック音楽の演奏が面白くないのかが透けて見えてくるような気がします。
ですから、この問題は一度じっくり考えてみる必要があるように思っています。

少なくとも。ストコフスキーもカラヤンも「オレの演奏を聞け」と言っていました。
この耳慣れた音楽がストコフスキー流にアレンジされて、この上もなくゴージャスに鳴り響く世界が本当にクラシック音楽として一段落ちる世界なのでしょうか。
ただし、こういう音楽をやる人は、今は全くいないことだけは否定しようのない事実です。しかし、その事でクラシック音楽の世界がより魅力的なものになったわけでないことも、これまた否定しようのない事実です。、

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



2225 Rating: 5.0/10 (109 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2015-03-22:nakamoto


2021-07-21:コタロー





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-04-20]

ショパン:バラード第3番 変イ長調, Op.47(Chopin:Ballade No.3 in A-flat major, Op.47)
(P)アンドレ・チャイコフスキー:1959年3月10日~12日録音(Andre Tchaikowsky:Recorded on Recorded on March 10-12, 1959)

[2024-04-18]

エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)

[2024-04-16]

フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1947年5月7日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on May 7, 1947)

[2024-04-14]

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」, Op.62(Beethoven:Coriolan, Op.62)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)

[2024-04-12]

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156/134b(Mozart:String Quartet No. 3 in G Major, K. 156)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-04-10]

ハイドン:弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調「狩」,Op. 1, No. 1, Hob.III:1(Haydn:String Quartet No.1 in B-Flat Major, Op. 1, No.1, Hob.3:1, "La chasse" )
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June 5, 1938)

[2024-04-08]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18)
(P)ジェルジ・シャーンドル:アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年1月2日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Artur Rodzinski New York Philharmonic Recorded on January 2, 1946)

[2024-04-06]

シベリウス:交響的幻想曲「ポヒョラの娘」(Sibelius:Pohjola's Daughter - Symphonic Fantasy Op.49)
カレル・アンチェル指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1962年6月7日~8日録音(Karel Ancerl:The Czech Philharmonic Orchestra Recorded on June 7-8, 1962)

[2024-04-04]

ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調, Op.50(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.2 in F major, Op.50)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)

[2024-04-02]

バルトーク:弦楽四重奏曲第6番, Sz.114(Bartok:String Quartet No.6, Sz.114)
ヴェーグ弦楽四重奏団:1954年7月録音(Quatuor Vegh:Recorded on July, 1954)