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        <title>Yung Site logo</title>
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        <title>リリ・ブーランジェ：ピエ・イエズ(Boulanger:Pie Jesu)&gt;&gt;&gt;イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 1958年日録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseur (T)Michel Senechal Recorded on 1958)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5958</link>
        <description>&lt;h3&gt;死を目前にした祈りと魂の叫び&lt;/h3&gt;リリ・ブーランジェが24歳という若さで病没する直前の1918年に作曲されました。&lt;br /&gt;
伝統的な「レクイエム」の一部である「ピエ・イエズ（慈しみ深き主イエスよ、彼らに安息を与えたまえ）」のテキストに基づいています。&lt;br /&gt;
哀愁を帯びた美しい旋律の中に、痛切な不協和音や、当時のフランス音楽らしい神秘的で色彩豊かな和声が織り込まれており、死を目前にした彼女の祈りと魂の叫びが凝縮されています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
24歳にしてすでに身体は衰弱しきっており、自ら五線譜にペンを走らせる体力は残されていませんでした。 &lt;br /&gt;
しかし、彼女の頭の中には最期の音楽が鳴り響いていました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そこで姉のナディアがベッドの脇に寄り添い、リリが口頭で伝える一音一音を聴き取り、楽譜に書き起こす「口述筆記」によってこの曲は完成へと導かれました。 &lt;br /&gt;
リリが声を振り絞って音名や和音を指示し、ナディアがそれを書き留めていく作業は、まさに命を削るような時間でした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
当時、リリはかねてより取り組んでいた歌劇「マレーヌ姫」の完成を強く望んでいました。しかし、もはやその大作を仕上げる時間は残されていませんでした。&lt;br /&gt;
そのため、自らの死を受け入れ、神への祈りと安息を乞う「ピエ・イエズ」にすべての残されたエネルギーを注ぎ込んだのです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
楽譜に書き込まれた、それまでのフランス音楽にはない「刺すような痛切な不協和音」や「激しい半音階の揺らぎ」は、リリが感じていた肉体的な激痛と、死への恐怖、そして魂の葛藤そのものでした。&lt;br /&gt;
ナディアはそれを最も近い場所で受け止め、一音の間違いもなく五線譜へと定着させたのです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
リリはこの「ピエ・イエズ」を、他でもない姉ナディアに捧げました。&lt;br /&gt;
そして1918年3月15日、曲の完成からまもなく、リリはナディアに見守られながら24歳で息を引き取りました。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ナディアは生涯、リリの遺品や楽譜を大切に保管し、自らが指揮する演奏会でリリの作品を積極的に取り上げ続けました。&lt;br /&gt;
ナディアが92歳で亡くなるまで、彼女の部屋にはいつもリリの肖像画が飾られていました。</description>
    </item>
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        <title>モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調, K.448(Mozart:Sonata for 2 Pianos in D major, K.448/375a)&gt;&gt;&gt;(P)モニク・アース ハインツ・シュレーター:1957年録音(Monique Haas:(P)Heinz Schroter Recorded on 1957)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5957</link>
        <description>&lt;h3&gt;「のだめカンタービレ」で有名になりました&lt;/h3&gt;&lt;h4&gt;2台のピアノのためのソナタ ニ長調, K.448 &lt;/h4&gt;&lt;br /&gt;
この曲は、モーツァルトが自身の優秀な弟子であったジョセファ・バルバラ・アウエルンハンマーと一緒に演奏するために書かれました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第1楽章:Allegro con spirito&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	冒頭、2台のピアノが完全に息を合わせて力強いユニゾンで始まります。これは当時の交響曲（オーケストラ）の始まり方を思わせる&lt;br /&gt;
	非常に華やかな行進曲風の「第1主題」です。その後、雰囲気が一転して優美な「第2主題」が第2ピアノから始まります。すぐに第1ピアノがそれを追いかけるように重なり、美しいカノンが形成されます。 &lt;br /&gt;
	モーツァルトの作品としては珍しく、これまでに登場した主題の要素をベースにしながらも、少し不安げな半音階の動き（ドレミの間の音を細かく刻む動き）を見せます。&lt;br /&gt;
	2台のピアノが激しく、そして急速にフレーズをぶつけ合うスリリングな聴きどころです。&lt;br /&gt;
	再び冒頭の華やかなテーマに戻りますが、ここでも1番ピアノと2番ピアノの役割が巧みに入れ替わります。&lt;br /&gt;
	お互いを引き立て合いながら、きらびやかなアルペッジョで一気に駆け抜けて締めくくられます。 &lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第2楽章:Andante&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	第1楽章の興奮を鎮めるように、第1ピアノがゆったりとした、歌うような美しい第1主題を奏でます。&lt;br /&gt;
	第2ピアノはそれを穏やかな伴奏で支えますが、すぐに役割が交代し、お互いのメロディに美しい装飾音を付け加えながら、対話を深めていきます。&lt;br /&gt;
	短調の陰りが一瞬広がり、モーツァルト特有の「天上の美しさの裏にある、そこはかとない哀愁」が顔をのぞかせます。&lt;br /&gt;
	2台のピアノがため息をつくように交互に旋律を歌い交わします。&lt;br /&gt;
	再び光が差し込むようにト長調へと戻り、お互いの信頼関係を確かめ合うかのように、より一層細やかで美しい装飾を伴って、静かに、優しく楽章を閉じます。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第3楽章:Molto allegro&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	トルコ風の軽快で、少しおどけたような楽しいロンド主題が何度も形を変えて帰ってきます。&lt;br /&gt;
	このテンポの速い主題が、楽章全体の推進力を生み出しています。ロンド主題の合間に、いくつもの新しいメロディが飛び出します。&lt;br /&gt;
	片方のピアノが細かく速いパッセージ（音階）を弾きまくっている間、もう片方がそれを楽しげに煽るようなリズムを刻むなど、視覚的にも聴覚的にも「2人のピアニストの超絶技巧の応酬」が楽しめます。&lt;br /&gt;
	最後は2台のピアノのエネルギーが最高潮に達します。&lt;br /&gt;
	寸分の狂いもない高速のスケール（音階）や和音の連続によって、まるで打ち上げ花火がパッと弾けるかのように、圧倒的な爽快感とともに全曲を華々しく弾ききります。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;</description>
    </item>
    <item rdf:about="http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5956">
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        <dc:creator></dc:creator>
        <title>ヘンデル:ハープ協奏曲変ロ長調 Op.4-6(Handel:Harp Concerto in B-flat major, Op.4, No.6)&gt;&gt;&gt;(Harp)リリー・ラスキーヌ:ジャン＝フランソワ・パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団 1964年1月22日録音(Lily Laskine:(Con)Jean-Francois Paillard Orchestre de chambre Jean-Francois Paillard Recorded on Januery 22, 1964)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5956</link>
        <description>&lt;h3&gt;オラトリオの「間奏曲」だった&lt;/h3&gt;この曲は独立した協奏曲としてではなく、ヘンデルのオラトリオ「アレクサンダーの饗宴（HWV 75）」の初演時に、幕間の挿入曲（間奏曲）として演奏されました。&lt;br /&gt;
当時の名ハープ奏者ウォルター・パウエル（Walter Powell）の腕前を披露するために書かれたと言われています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヘンデル自身によってのちにオルガン（またはチェンバロ）用の協奏曲としても編曲され、「オルガン協奏曲 作品4」の第6番として出版されました。&lt;br /&gt;
そのため、今日でもオルガンやチェンバロ、あるいは現代のピアノで演奏される機会が少なくありません。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第1楽章:Andante allegro&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	全楽章の中でもっとも有名で、誰もが一度は耳にしたことがある華やかな楽章です。&lt;br /&gt;
	冒頭、オーケストラによって優美で気品に満ちたテーマが提示された後、ハープが滑らかにその旋律を引き継ぎます。&lt;br /&gt;
	全66小節のうち46小節がハープの独奏パート（またはハープ主導のセクション）で占められており、オーケストラは要所を支える役割に徹しています。&lt;br /&gt;
	ハープの奏でる細やかなアルペジオやトリルが、まるで宮廷の庭園を思わせる美しい世界を創り出します。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第2楽章:Larghetto&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	明朗な第1楽章から一転し、哀愁を帯びた深い情緒が漂う緩端楽章です。&lt;br /&gt;
	ヘンデルが得意とする、イタリア風のオペラ・アリアを思わせるような、歌うような美しいメロディが展開されます。&lt;br /&gt;
	バロック音楽の伝統的な対位法が心地よく響き、ハープのどこか儚く切ない音色が、聴く人の心にしっとりと染み渡ります。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第3楽章:Allegro moderato&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	再び明るい変ロ長調に戻り、軽快なステップを踏むようなリズミカルなフィナーレです。&lt;br /&gt;
	3拍子の舞曲風の軽やかなリズムに乗せて、ハープとオーケストラが楽しげに会話を交わすように進みます。&lt;br /&gt;
	超絶技巧で圧倒するような激しさではなく、バロックらしい節度と上品なユーモアを保ったまま、清々しく幸福感に満ちた雰囲気の中で曲を締めくくります。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;</description>
    </item>
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        <dc:date>2026-10-26T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>ディエゴ・オルティス:レセルカーダとその基となった歌曲およびマドリガル集(Diego Ortiz:Recercadas, Songs And Madrigals)&gt;&gt;&gt;(Lute)ヴァルター・ゲルヴィッヒ (Vdg)アウグスト・ヴェンツィンガ (harpsichord)エドゥアルト・ミュラー 1953年10月8日~9日録音(Walter Gerwig:(Vdg)August Wenzinger (harpsichord)Eduard Muller Recorded on October 8-9, 1953)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5955</link>
        <description>&lt;h3&gt;世界初の変奏曲・即興演奏の教則本&lt;/h3&gt;ディエゴ・オルティスは、ルネサンス期のスペイン・トレド出身の作曲家、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、音楽理論家です。&lt;br /&gt;
1510年頃にトレドで生まれたとされています。若年期の詳細は不明ですが、スペイン国内で音楽家として高い声望を得ていました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
1550年代半ばまでに、当時スペインハプスブルク家の統治下にあったナポリ王国へ渡りました。&lt;br /&gt;
第3代アルバ公（フェルナンド・アルバレス・デ・トレド）の庇護を受け、ナポリ総督宮廷の楽長（maestro de capilla）に就任しました。&lt;br /&gt;
そして、1570年頃までナポリ宮廷で活動し、同地の音楽理論や室内楽の発展に大きく貢献しました。&lt;br /&gt;
1570年以降の足取りや没年は正確には分かっていないようです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ディエゴ・オルティスの最も重要な業績は世界初の変奏曲・即興演奏の教則本「変奏手引書」を出版したことです。&lt;br /&gt;
ヴィオラ・ダ・ガンバのための即興装飾（グローサ）や変奏手法を系統的に解説した世界初の体系的教本です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
また、即興演奏（ディミニュション/グローサ）技法の体系化も行いました。&lt;br /&gt;
旋律の音符をより短い音符へと細分化して装飾する「グローサ（glosa）」の手法を数多くの実例とともに網羅し、当時の即興演奏の慣習を今日に伝える貴重な実践資料となりました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
さらに、オルティスが考案した「レセルカーダ」（イタリア語のリチェルカーレに相当する即興的器楽曲）は、以下の3つのスタイルに分類され、バロック期のグラウンド・ベース（通奏低音上の変奏曲）の先駆けとなりました。&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;ソロ・レセルカーダ&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	無伴奏(ヴィオラ・ダ・ガンバ単独):厳格な模倣対位法や指慣らし的要素を含む、ポリフォニックな自由形式。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;定音上のレセルカーダ&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	通奏低音（鍵盤楽器等）＋ガンバ:パッサメッツォやフォリアなど、当時の定番コード進行（グランド・ベース）上での変奏。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;声楽編曲のレセルカーダ&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	4声の多声楽曲＋ガンバ:アルカデルト等のマドリガーレに対し、ガンバが1パートを担当しつつ華やかな装飾を加える。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;</description>
    </item>
    <item rdf:about="http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5954">
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        <dc:date>2026-10-24T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>ヴォーン・ウィリアムス：トマス･タリスの主題による幻想曲(Vaughan Williams:Fantasia on a Theme_by Thomas Tallis)&gt;&gt;&gt;マルコム・サージェント指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1959年録音(Sir Malcolm Sargent:The Philharmonia Orchestra Recorded on 1959)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5954</link>
        <description>&lt;h3&gt;交響曲は知らなくても・・・&lt;/h3&gt;ヴォーン・ウィリアムスについては既に&lt;a href=&quot;http://www.yung.jp/yungdb/op_z.php?szell=121&quot;&gt;ボールト指揮による「交響曲全集」&lt;/a&gt;をアップしてあります。交響曲という形式が終焉を迎えた20世紀という時代に9曲もの交響曲を残したと言うことで「隠れたシンフォニスト」などと言われたりします。&lt;br /&gt;
しかし、そう言う彼の本線である交響曲を聞いたことがなくても、この弦楽合奏を主体とした二つの幻想曲なら聴いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヴォｰン･ウィリアムズは20世紀の作曲家としては珍しく穏やかで美しい旋律ラインを持った音楽を書いた人というイメｰジがあります｡そう言うイメージにピッタリなのがこの二つの幻想曲であり、とりわけ｢トマス･タリスの主題による幻想曲｣は彼に作曲家としての成功をもたらした作品です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;strong&gt;トマス･タリスの主題による幻想曲&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
トマス･タリスとは16世紀のイングランドで活躍した作曲家でありオルガン奏者でした。ロンドンの小さな教会のオルガン奏者からたたき上げて最後は王室礼拝堂のオルガン奏者にまで上りつめた人で、テューダー朝のヘンリー8世、エドワード6世、メアリー1世とエリザベス1世という歴代の王に仕えました。&lt;br /&gt;
ヴォーン・ウィリアムスがこの幻想曲のもとにした「トマス･タリスの主題」とは、彼が1567年に書いた「大主教パーカーのための詩編曲」の第3曲の旋律です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ヴォーン・ウィリアムスはこの偉大なオルガン奏者に敬意を表したのか、単純な弦楽合奏としてこの作品を仕上げるのではなく、二組の弦楽合奏(一組は通常の弦楽合奏、もう一つは少し離れた場所に各パート二人からな小規模の弦楽合奏と指定）と、一組の弦楽四重奏によってオルガン的な響きを実現しています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;strong&gt;グリーンスリーヴスによる幻想曲&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
おそらく、ヴォーン・ウィリアムスにとっては不満でしょうが、彼の作品の中ではもっとも有名な作品です。何故ならば、その「有名」さの大部分がイングランドの古い歌「グリーンスリーヴス」に依存しているからです。&lt;br /&gt;
この作品はもともとはオペラ「恋するサー・ジョン（Sir John in Love）」の第3幕の間奏曲としてかかれたものであり、さらにその間奏曲をラルフ・グリーヴズ（Ralph Greaves）が編曲して独立させたのが「グリーンスリーヴスによる幻想曲」です。楽器編成は弦楽合奏を主体としながらそこにハープとフルートが追加されています。&lt;br /&gt;
とは言え、その編曲はヴォーン・ウィリアムス自身も気に入ったようで、1934年に本人の指揮で初演されています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
と言うことで、この作品の著作権関係が心配になったのですが、調べてみると編曲者である「ラルフ・グリーヴズ」の権利も既に消滅していました。</description>
    </item>
    <item rdf:about="http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5953">
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        <dc:date>2026-10-22T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>ラフマニノフ：ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30(Rachmaninov:Piano Concerto No.3 in D minor, Op.30)&gt;&gt;&gt;(P)モーラ・リンパニー:アンソニー・コリンズ指揮、ロンドン新交響楽団(Moura Lympany:(Con)Anthony Collins New Symphony Orchestra of London Recorded on 1952)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5953</link>
        <description>&lt;h3&gt;難曲中の難曲&lt;/h3&gt;今では映画「シャイン」のおかげで、２番のコンチェルトよりも有名になってしまったかもしれません。なんといっても、古今東西のあらゆるピアノ協奏曲の中でこれほどまでに演奏が困難なものはちょっと思い当たりませんし、映画でもその点を強調して主人公はその困難さにとりつかれて精神に異常をきたしてしまうのですから、話題性は満点です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しかし、どうなんでしょうか？最近のバカウマの若手連中なら誰でも弾きこなすのではないでしょうか。確かに難しいことは難しいでしょうし、とりわけ２種類あるカデンツァのうち「ｏｓｓｉａ」と呼ばれる方はとんでもなく難しいものです。それでも、演奏するだけなら何とかやり遂げるだけの能力は今の若手ならほとんどが身につけているのではないでしょうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それはさておき、この作品を聞けば、派手さはあるものの２番のコンチェルトで聞けたロシアの郷愁のようなものは後退していることに気づかされます。それは、この作品がラフマニノフのアメリカへの演奏旅行のために創作されたという経緯とも関係しているのかもしれません。当時のアメリカではとにかく派手な名人芸がもてはやされていましたから、この作品ではラフマニノフの芸人魂が爆発したかのような作品が出来上がってしまったのではないでしょうか。&lt;br /&gt;
とにかくピアノという楽器を使ってどこまで圧倒的に音楽を盛り上げることができるのかという課題に対する一つの模範解答がここにあることは間違いありません。&lt;br /&gt;
ただしなのです。&lt;br /&gt;
この作品に限ったことではないのですが、私には彼の作品に散漫でとりとめのない雰囲気を感じ取ってしまうのです。その散漫さが２番のコンチェルトでは影を潜めていたのが、ここでまたあふれ出してきたように感じられます。&lt;br /&gt;
ピアノの響きはどこまでも分厚くて重厚であり、それがここぞという場面ではクレッシェンドに続くクレッシェンドで音楽を圧倒的に盛り上げていくのですが、聞き終わった後になんと見えない空虚さを感じてしまいます。その芸人魂には感服するのですが、果たして歴史の審判に耐えて芸術作品として後世に残るのかと聞かれれば自信を持ってイエスとは言えないユング君です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第1楽章:Allegro ma non tanto&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	冒頭の静かな弦楽器の刻みに乗って、オーケストラではなくピアノのオクターブによる有名な第1主題が提示されます。&lt;br /&gt;
	この主題はロシア正教会の聖歌に由来するとも言われ、素朴でありながら深い哀愁を帯びています。&lt;br /&gt;
	哀愁漂う第1主題に対し、変ロ長調の第2主題はピアノと木管楽器の対話による、抒情的で温かみのあるメロディです。&lt;br /&gt;
	展開部の終わりには、ピアノ独奏による巨大なカデンツァが置かれています。&lt;br /&gt;
	ラフマニノフ自身は2種類のカデンツァを遺しており、重厚で和音強打が続く「オッシア（大カデンツァ）」と、軽快で華やかな「オリジナル（小カデンツァ）」があります。現代ではどちらを選ぶかもピアニストの見せ所となっています。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第2楽章:Intermezzo: Adagio&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	「間奏曲」と題されていますが、深く重厚な感情が渦巻く、極めてロマンティックな緩端楽章です。&lt;br /&gt;
	ピアノの登場に先立ち、オーケストラがため息をつくような、切なく美しい主題をたっぷりと歌い上げます。ピアノが加わると、きらびやかで即興的な変奏が次々と展開されます。&lt;br /&gt;
	途中で一転してト長調の軽快なワルツ風の熱狂的なエピソード（第1楽章の第1主題の変形）が挟まれます。&lt;br /&gt;
	楽章の最後、ピアノが激しい終止和音を鳴らした直後、休みなく第3楽章へと突入します。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第3楽章:Finale: Alla breve&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	前楽章から息つく間もなく、ピアノの力強い三連符の打鍵によって幕を開ける、極めてエネルギッシュで推進力に満ちた楽章です。&lt;br /&gt;
	第1主題は、まるで騎馬隊が駆けるような力強いリズムが特徴です。&lt;br /&gt;
	これに対し、第2主題はラフマニノフらしい、どこまでも広がっていくような甘美で雄大なメロディです。&lt;br /&gt;
	中間部ではこれまでの楽章のモチーフが回想されつつ、ピアノは全曲中で最も激しいパッセージを要求されます。&lt;br /&gt;
	終盤、音楽はニ短調から栄光に満ちたニ長調へと転調します。&lt;br /&gt;
	オーケストラとピアノが一体となり、地鳴りのような大音響で第2主題を堂々と再現する瞬間は、クラシック音楽史上屈指のカタルシスを生み出します。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;</description>
    </item>
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        <dc:date>2026-10-20T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>リリ・ブーランジェ：古い仏教の祈り(Boulanger:Vieille Priere Bouddhique)&gt;&gt;&gt;イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 (T)レイモンド・アマデ 1958年録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseur (T)Alain Fauqueur Recorded on 1958)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5952</link>
        <description>&lt;h3&gt;魂の救済&lt;/h3&gt;1914年から1917年にかけて作曲されました。彼女が24歳という若さで亡くなる前年の完成です。&lt;br /&gt;
19世紀フランスの東洋学者ヴィクトル・アンリによる翻訳テキストに基づいています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
東洋的な思想を西洋音楽の語法で表現しようとした「オリエンタリズム」の作品で、低音域の管楽器と合唱が「すべての生きとし生けるものが……」と、念仏や読経を思わせる低いトーンで、淡々と祈りを捧げます。&lt;br /&gt;
中盤に向かって音楽は次第に熱を帯び、全宇宙へ慈悲が広がるかのような圧倒的なクライマックスを迎えます。&lt;br /&gt;
リリ特有の、色彩豊かで力強い和声感覚が存分に発揮されています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歌詞の内容は、敵や味方の区別なく、北、南、東、西、そして上下に至るまで、あらゆる存在の幸福と苦しみからの解放を願う「四無量心（慈・悲・喜・捨）」の教えを反映しています。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
リリががこの曲を執筆していた時期は、第一次世界大戦の真っ只中でした。&lt;br /&gt;
また、リリ自身も幼少期から病弱で、常に死の影を感じながら生きていました。&lt;br /&gt;
そのため、この「生きとし生けるものの平安を願う」という仏教的な祈りは、当時の凄惨な社会状況や彼女自身の切実な平和への渇望と深く結びついていたと考えられます。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ドビュッシーやフォーレの影響を感じさせつつも、それらよりもさらに重厚で、時にストラヴィンスキーのような原始的な力強さを併せ持っています。&lt;br /&gt;
彼女は同時期に「詩篇第130番（深き淵より）」などのキリスト教的な宗教曲も手がけていますが、この「古い仏教の祈り」を併せて聴くと、彼女がいかに宗教の枠を超えた「魂の救済」を音楽に託していたかが伝わってきます。</description>
    </item>
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        <title>エマヌエル・ポンセ:イ短調組曲(Poncw:Suite In A minor)&gt;&gt;&gt;(Gt)アンドレス・セゴビア:1930年録音(Andres Segovia:Recorded on 1930)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5951</link>
        <description>&lt;h3&gt;ちょっとした悪戯&lt;/h3&gt;この曲は、セゴビアの依頼によって書かれました。&lt;br /&gt;
言うまでもなくセゴビアとポンセは大の仲良しでした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
二人は1923年、セゴビアがメキシコへ最初の演奏旅行に訪れた際に出会いました。ポンセはセゴビアのコンサートを大絶賛するレビューを執筆し、そのことに感激したセゴビアは、ポンセに「ギターのための作品を書いてほしい」と懇願します。&lt;br /&gt;
ピアノが専門だったポンセは、セゴビアの才能と情熱に動かされ、ポンセが1948年に亡くなるまで二人の共同作業は続きました。&lt;br /&gt;
ポンセが楽譜の骨格を作り、それをセゴビアがギターで最も美しく響くように「フィンガリング」を付けたり、時にはフレーズ自体を修正・改変して完成させていきました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんな二人の結びつきの中で面白いのが。このイ短調組曲をめぐるエピソードです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
セゴビアは当時、独奏会のプログラムがポンセの曲ばかりになってしまうことを懸念していました。また、古典的なバロック作品もレパートリーにくわえたいと考えていました。&lt;br /&gt;
そこで、二人はちょっとした悪戯を追いつきます。&lt;br /&gt;
その悪戯とは、ポンセが過去の大家のスタイルで完璧な曲を書き、セゴビアがそれを「新発見されたバロックの楽譜」(バロック期の高名なリュート奏者シルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの未発表作品)として演奏する」というものです。&lt;br /&gt;
驚くべきは、そんな悪戯が見事に成功し、初演後もヴァイスの作品として長く信じられ、1980年代になってようやくポンセの真作であることが公にされました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
セゴビア自身はこの悪戯が世間にバレて、周囲から「あれはポンセの曲ですよね？」と指摘されるようになってからも、「ヴァイス作曲」と言い張りました。そして、演涯にわたってステージの上では奏会でも「ヴァイス作曲」として演奏を続けました。&lt;br /&gt;
それもまた、亡きポンセとのかけがえのない絆であり、リスペクトだったのでしょう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;h4&gt;イ短調組曲&lt;/h4&gt;&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;プレリュード（Preludio）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	即興的で流麗なアルペジオ（分散和音）が全体を支配する、厳かかつドラマチックな前奏曲です。特定の拍子記号に縛られない自由な形式を感じさせます。&lt;br /&gt;
	中間部では、和音（和声）が重厚に響くセクションがあり、セジーヤ（カポタストのように指で複数の弦を押さえる技術）を用いた美しい和声進行へと展開します。&lt;br /&gt;
	右手のスムーズなアルペジオのコントロールと、左手の「2連続プリング・オフ（弦を引っ掻いて音を出す技法）」など、高度で滑らかなフィンガリングの連動が求められます。 &lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;アルマンド（Allemande）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	4分の4拍子、中庸なテンポ（モデラート~レント）で演奏されるドイツ起源の重厚な舞曲です。複数の旋律が複雑に絡み合うポリフォニー（多声）の質感を持ちます。&lt;br /&gt;
	本来のバロック組曲では「アルマンド」の後に速い「クーラント」という舞曲が続くのが定石ですが、ポンセはあえてクーラントを省き、独自の構成にしています。&lt;br /&gt;
	様々なポジションやコードフォームの中で、自在にプリング・オフやハンマリングを行う必要があります。各声部を独立させて聴かせるための繊細な音量バランスが鍵となります。 &lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;サラバンド（Sarabande）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	3拍子のゆったりとした重厚なスペイン起源の舞曲で、組曲の中で最も深い叙情性と哀愁を湛えています。&lt;br /&gt;
	聴きどころ: アウフタクト（弱起・拍の裏）から始まる短い音のメロディパターンが執拗に繰り返され、これが装飾音のようにも、独立した旋律のようにも聴こえる独特の陰影を生み出しています。&lt;br /&gt;
	プリングやハンマリングの直後に、素早くかつ精密なコードチェンジ（左手の押さえ替え）を行う難所が多く、全楽章の中でも特に高い左手の柔軟性と正確性が要求される教材的な難曲です。 &lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;ガヴォット（Gavotte I &amp; II）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	2拍子の軽快で優美なフランス起源の舞曲です。組曲の中ではテクニック的なハードルが最も低く、親しみやすいメロディのため、この楽章だけが単独でアンコールなどに演奏されることも多くあります。&lt;br /&gt;
	哀愁漂う「第1ガヴォット」のあと、中間に「ミュゼット（第2ガヴォット）」を挟みます。中間の第2ガヴォットでは、低音で同じ音が持続する「ドローン効果（バグパイプのような響き）」の上で素朴な旋律が踊ります。&lt;br /&gt;
	セゴビアが得意とした、ギターの音色を硬くしたり甘くしたりする「音色変化」が非常に映える構成になっています。 &lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;ジーグ（Gigue）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	複合拍子（12/8拍子など）による、極めて速いテンポの圧倒的な終曲です。 &lt;br /&gt;
	最初のテーマが、まるでバッハの「フーガ」のように次々と異なる声部に受け継がれていく、本格的な対位法で書かれています。&lt;br /&gt;
	最も演奏技術が要求される最難関の楽章です。速いテンポの中で複数のメロディラインを明確に弾き分ける右手・左手の独立性と、強靭なスタミナが必要とされます。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol</description>
    </item>
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        <dc:date>2026-10-16T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>ベｰトｰベン:ヴィンターの歌劇「妨げられた奉納式」より四重唱「子供よ、静かにお休み」の主題による7つの変奏曲 WoO 75(Beethoven:7 Variations on the Quartet Kind, willst du ruhig schlafen from Winter's Das unterbrochene Opferfest, WoO 75)&gt;&gt;&gt;(P)アルフレッド・ブレンデル 1958年&amp;1960年録音(Alfred Brendel:Recorded on 1958 &amp; 1960)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5950</link>
        <description>&lt;h3&gt;ベートーベンのピアノ変奏曲&lt;/h3&gt;ベートーベンは若い頃を中心に数多くの「ピアノのための変奏曲」を作曲しているのですが、その後も折に触れてこの形式によるピアノ曲を残しています。その中でも、とりわけ重要であり、しかしながら最後まで聞き通すにはかなりの忍耐を強いられるのが「ディアベリ変奏曲」でしょう。&lt;br /&gt;
しかしながら、あれはベートーベンの「ピアノのための変奏曲」の中においてみればモンスター的に異形なる存在であって、その大部分は当時の聴衆に人気のあったオペラなどの一節をテーマにしたものが大部分でした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「変奏」とは一般的には「ある旋律のリズム、拍子、旋律、調子、和声などを変えたり、さまざまな装飾を付けるなどして変化を付けること」とされています。しかし、ベートーベンの「変奏曲」というジャンルにおける探求を跡づけていくと、「変化をつける」などと言う範疇に留まらないことに気づかされます。&lt;br /&gt;
いや、確かに最初は、オペラなどから拝借した旋律を面白おかしく変化させて聴く人の耳を楽しませる所からスタートしています。しかしながら、その到達点である「ディアベリ変奏曲」を聴くとき、そこには面白おかしく変化をつけて聴く人の耳を楽しませるなどという姿勢は吹き飛んでいます。&lt;br /&gt;
それでは、そこでベートーベンは何をしようとしたのかといえば、それは主題が内包する可能性を徹底的に汲み尽くすことでした。&lt;br /&gt;
よく知られているように、ディアベリによって示された「テーマ」は実に単純で陳腐なもののように見えました。しかしながら、外面的には「陳腐で単純」に見えたテーマの中に豊かな可能性をかぎつけたのがベートーベンの天才でした。&lt;br /&gt;
そのテーマが単純であるがゆえに、それを様々な音楽的スタイルの中においてみることが可能であり、そのスタイルによってはディアベリのテーマはほとんど姿を消しているように見えながらも、それもまた主題の可能性を最大限に追求した結果であるような音楽になっているのです。&lt;br /&gt;
そして、その最後の到達点と若い頃の作品を並べてみれば、ベートーベンという音楽家がその生涯においてどれほど長い距離を歩いたかが分かるのです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ベートーベンにとって「ピアノ・ソナタ」という形式は常に実験の場であったのですが、「ピアノのための変奏曲」はそれ以上に実験的な場だったのかも知れません。そして、その実験的性格ゆえに、例えば「ハ短調変奏曲」と呼ばれることもある中期の作品などには作品番号を与えなかったのかも知れません。&lt;br /&gt;
そう考えれば、ベートーベンのこのジャンルにおける歩みを辿ってみることも意味あることなのかも知れません。&lt;br /&gt;
&lt;h4&gt;ベｰトｰベン:ヴィンターの歌劇「妨げられた奉納式」より四重唱「子供よ、静かにお休み」の主題による7つの変奏曲 WoO 75&lt;/h4&gt;&lt;br /&gt;
ペーター・ヴィンターのオペラ主題となったのは、当時ウィーンで一世を風靡していた作曲家ペーター・ヴィンター（Peter von Winter, 1754?1825）の歌劇（コミック・オペラ）「妨げられた奉納式」(Das unterbrochene Opferfest)の第18曲に登場する四重唱「子供よ、静かにお休み（Kind, willst du ruhig schlafen）」です。&lt;br /&gt;
このオペラは1796年にウィーンのケルントナートーア劇場で初演され、大ヒットを記録しました。このオペラは1796年にウィーンのケルントナートーア劇場で初演され、大ヒットを記録しました。&lt;br /&gt;
当時のウィーンでは、人気のオペラのアリアや合唱の主題を用いてピアノ変奏曲を仕立てて演奏するスタイルが流行しており、ベートーヴェンもそのトレンドを捉えて本作を作曲しました。 &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
楽曲の構成と展開主題は穏やかで親しみやすい旋律です。16小節からなる簡素で素朴なテーマをもとに、ベートーヴェンはピアノの色彩感あふれる多彩な7つの変奏を展開します。  &lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;主題（Theme）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	穏やかで子守歌のような親しみやすい4部唱の旋律。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第1変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	右手の細かなアルペッジョや音階装飾が軽快に駆け巡るフィギュレーション。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第2変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	左手主導のアジリティやスタッカートを効かせた軽妙な変奏。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第3変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	和声音の広がりと音域の跳躍を生かした躍動感あるスタイル。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第4変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	ヘ短調に転調。悲哀を帯びた対位法的な表情を見せる静かな対比。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第5変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	長調へ復帰。和声的な響きを強調し、繊細なトリルやダイナミクスが際立つ変奏。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第6変奏&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	拍子やテンポの緊張感を高めた動き。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第7変奏（コーダ）&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	テンポを上げ、即興演奏の妙味を感じさせる自由なカデンツァ風展開や装飾を交えつつ、華やかに楽曲を締めくくります。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
当時のベートーヴェンはウィーン最高のピアノ即興奏者として名を馳せていました。この変奏曲にも、彼の自由で創意あふれる即興演奏のニュアンスが惜しみなく注ぎ込まれています。&lt;br /&gt;
装飾的変奏（旋律に装飾音を施すスタイル）の枠組みを守りつつも、中間部での短調（第4変奏）の劇的なコントラストやコーダでの自由な展開など、後の大作変奏曲（エロイカ変奏曲やディアベリ変奏曲など）へと通じる和声感や対位法的アプローチの萌芽が見られます。</description>
    </item>
    <item rdf:about="http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5949">
        <dc:format>text/html</dc:format>
        <dc:date>2026-10-14T15:00:00+00:00</dc:date>
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        <title>メンデルスゾーン：ピアノ協奏曲第1番 ト短調, Op.25(Mendelssohn:Piano Concerto No.1 in G minor, Op.25)&gt;&gt;&gt;(P)モーラ・リンパニー:ラファエル・クーベリック指揮、フィルハーモニア管弦楽団 1952年録音(Moura Lympany:(Con)Rafael Kubelik The Philharmonia Orchestra Recorded on 1952)</title>
        <link>http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=5949</link>
        <description>&lt;h3&gt;イタリア旅行の充実感の反映&lt;/h3&gt;この作品は当時の協奏曲としては珍しく、3つの楽章が切れ目なくアタッカで演奏されます。メンデルスゾーンは楽章間の拍手によって緊張感が途切れるのを嫌ったという事です。&lt;br /&gt;
イタリア旅行の充実感や若きエネルギーが反映されており、全編にわたって情熱的で、疾走感のある華やかなピアノのテクニックが要求されます。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;ol&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第1楽章:Molto allegro con fuoco&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	冒頭、オーケストラが下行する強烈なクレッシェンドをわずか数小節奏でた直後、ピアノがオクターブの激しい上行パッセージで割り込みます。&lt;br /&gt;
	古典派の協奏曲に見られた「まずオーケストラが主題をすべて演奏する長い提示部」を完全に省略し、最初からピアノとオーケストラが一体となって疾走します。&lt;br /&gt;
	ピアノの和音連打とシンコペーションを伴う、情熱的で焦燥感に駆られた旋律です。&lt;br /&gt;
	一転して、ピアノが優美で流れるような美しい旋律を歌い上げます。メンデルスゾーンらしい、甘美でありながらも洗練されたメロディです。&lt;br /&gt;
	展開部は比較的短く、第1主題の動機をベースにピアノの華麗なアルペジオが駆け巡ります。&lt;br /&gt;
	再現部では両主題がト短調、ト長調で再現されますが、特筆すべきはコーダです。&lt;br /&gt;
	通常のソナタ形式であれば、楽章の終わりにピアノの見せ場である「カデンツァ」が置かれ、華やかに楽章を閉じます。しかしメンデルスゾーンはこれを拒否しました。&lt;br /&gt;
	曲のテンポが急激に落ちると、ホルンとトランペットが不穏なファンファーレ風の信号音を鳴らします。&lt;br /&gt;
	これにピアノが静かに応答しながら、調性をト短調からホ長調へと滑らかに移行させ、休止することなく第2楽章へと滑り込みます。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第2楽章:Andante&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	前楽章の緊迫感から解放され、深い静寂と叙情性に満ちた世界が広がります。&lt;br /&gt;
	ト短調の主音から、遠隔調であるホ長調への鮮やかな転調が、聴き手に「一筋の光が差し込むような」劇的な心理的効果を与えます。&lt;br /&gt;
	まずヴィオラとチェロが、低音で深くあたたかい主題を奏でます。これを引き継ぐ形でピアノが、彼の有名なピアノ曲集「無言歌」を思わせる、言葉を持たない至高の歌曲を歌い始めます。&lt;br /&gt;
	わずかに短調の陰りが差し込み、ピアノが細かな16分音符のパッセージを刻む中で、オーケストラが切ない旋律を対位法的に絡ませます。&lt;br /&gt;
	再び静けさを取り戻し、最後はピアノのアルペジオがピアニッシモで消え入るように終わる…と思われた瞬間、再び劇的な仕掛けが作動します。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
	&lt;li&gt;&lt;strong&gt;第3楽章:Presto - Molto allegro e vivace&lt;/strong&gt;&lt;br /&gt;
	第2楽章の静寂を破るように、再び管楽器による導入が響き渡ります。&lt;br /&gt;
	第1楽章の終わりに見られたファンファーレの変形であり、全曲の統一感を高める役割を果たしています。&lt;br /&gt;
	ピアノがこれに技巧的なカデンツァ風のパッセージで応えると、音楽は一気に明るいト長調（Molto allegro e vivace）へと突入します。&lt;br /&gt;
	ここからの音楽は、メンデルスゾーンの独壇場である「妖精の音楽」の性格を強く持ちます。跳ねるようなスタッカートときらびやかな16分音符が連続し、まるで光の粒子が飛び跳ねているかのような軽快さです。&lt;br /&gt;
	ピアノには極めて俊敏なタッチと正確なレガートが要求されます。終盤、華やかな盛り上がりの最中に、第1楽章の第1主題の断片がオーケストラによって一瞬回想されます。&lt;br /&gt;
	この循環形式的なアプローチにより、3つの楽章が単に繋がっているだけでなく、精神的にも一つの巨大な楽曲として結ばれていることが証明されます。&lt;br /&gt;
	最後はピアノの圧倒的なオクターブ連打とスケール（音階）がオーケストラと激しく火花を散らし、若きメンデルスゾーンのエネルギーを爆発させるように、圧倒的な高揚感の中でト長調の主和音を打ち鳴らして幕を閉じます。&lt;/li&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/ol&gt;</description>
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